糖尿病の薬の種類と一覧|効き方・先発品名と一般名・メリットと副作用

ゆうしん内科クリニック 糖尿病外来

糖尿病の薬の種類と一覧
効き方・メリット・主な副作用

マンジャロ・メトホルミンなど、2型糖尿病で使われる主な薬を
「〇〇系」の系統ごとに、先発品名と一般名つきで解説します。

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2型糖尿病の薬にはたくさんの種類があり、「〇〇系」と呼ばれるグループ(系統)ごとに、血糖値を下げる仕組みが違います。仕組みが違えば、得意なこと・苦手なこと、起こりやすい副作用も変わります。

このページでは、日本で使われている主な糖尿病の薬を系統ごとに分けて、効き方、薬の名前(先発品名と一般名)、メリット、主な副作用の順に説明します。いま飲んでいる薬や、これから始める薬がどんな薬なのかを知る手がかりにしてください。

このページを読む前に

  • 並び順は「比較的新しい系統から」です。おすすめの順番ではありません。最初の薬として選ばれることが多いのは、後半で紹介するメトホルミン(ビグアナイド薬)です。
  • どの薬を使うかは、血糖値やHbA1cだけでなく、体重、腎臓や肝臓の働き、心臓や腎臓の病気の有無、低血糖の起こりやすさ、年齢、生活スタイル、費用などをふまえて医師が判断します。
  • ここで紹介しているのは、2型糖尿病の治療薬として保険診療で使う場合の情報です。
  • 薬の量・飲み方の変更や中止は、必ず医師と相談してください。自己判断でやめると血糖値が急に悪化することがあります。

薬の名前の見方(先発品名・一般名・ジェネリック)

糖尿病の薬には、ひとつの成分に複数の呼び名があります。処方せんやお薬手帳で名前が違って見えても、同じ成分ということがよくあります。

  • 先発品名:その成分を最初に発売した製薬会社がつけた商品名です(例:メトグルコ、マンジャロ)。
  • 一般名:有効成分そのものの名前です(例:メトホルミン塩酸塩、チルゼパチド)。
  • ジェネリック医薬品(後発医薬品):先発品の特許が切れたあとに発売される、同じ有効成分の薬です。多くは「一般名+剤形+会社名」の名前で販売されます(例:メトホルミン塩酸塩錠500mg「〇〇」)。注射のインスリンなどでは「バイオシミラー(バイオ後続品)」と呼ばれます。

※各表の「ジェネリック」欄は2026年11月時点の状況です。新しく承認・発売されることがあります。「承認済み・未発売」は、国の承認は受けているものの、まだ販売が始まっていないものです。また、各表は主な薬を紹介したもので、国内で使われているすべての製品を網羅したものではありません。

糖尿病の薬の種類一覧(系統ごとの特徴)

糖尿病の薬は、効き方で大きく次の4つに分けられます。

  • インスリンを出しやすくする薬:GIP/GLP-1受容体作動薬、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬、スルホニル尿素薬、グリニド薬
  • インスリンの効きをよくする薬:ビグアナイド薬、チアゾリジン薬(イメグリミンは「出しやすくする」「効きをよくする」の両方に働きます)
  • 糖の吸収や排出を調節する薬:SGLT2阻害薬、α-グルコシダーゼ阻害薬
  • インスリンそのものを補う薬:インスリン製剤
系統 主な薬(先発品名) 使い方 単独での低血糖 体重
GIP/GLP-1受容体作動薬マンジャロ週1回注射起こりにくい減りやすい
GLP-1受容体作動薬オゼンピック、リベルサス、トルリシティ ほか注射(週1回・毎日)/飲み薬起こりにくい減りやすい
SGLT2阻害薬フォシーガ、ジャディアンス ほか飲み薬起こりにくい減りやすい
DPP-4阻害薬ジャヌビア、エクア、トラゼンタ ほか飲み薬(毎日・週1回)起こりにくい変わりにくい
イメグリミンツイミーグ飲み薬起こりにくい変わりにくい
ビグアナイド薬メトグルコ飲み薬起こりにくい増えにくい
チアゾリジン薬アクトス飲み薬起こりにくい増えやすい
スルホニル尿素薬(SU薬)アマリール、グリミクロン ほか飲み薬起こりやすい増えやすい
グリニド薬スターシス、グルファスト、シュアポスト ほか飲み薬(毎食直前)起こることがある増えやすい
α-グルコシダーゼ阻害薬グルコバイ、ベイスン、セイブル飲み薬(毎食直前)起こりにくい増えにくい
インスリン製剤ランタス、トレシーバ、ノボラピッド ほか注射(毎日・週1回)起こりやすい増えやすい

※「単独での低血糖」はその薬だけを使った場合の目安です。低血糖を起こしにくい薬でも、SU薬・グリニド薬・インスリンと一緒に使うと低血糖が起こりやすくなります。体重への影響も個人差があります。

GIP/GLP-1受容体作動薬(マンジャロ)

効き方

食事をとると、小腸から「インクレチン」と呼ばれるホルモンが出て、膵臓に「インスリンを出して」と合図を送ります。インクレチンにはGIPとGLP-1の2種類があります。この合図は血糖値が高いときに強く働き、血糖値が下がってくると弱まるため、単独では低血糖を起こしにくいのが特徴です。

GLP-1にはさらに、胃から腸へ食べ物を送り出すスピードをゆっくりにする働きや、脳に働いて食欲を落ち着かせる働きもあります。チルゼパチド(マンジャロ)は、GIPとGLP-1の両方の受け取り口(受容体)に作用するひとつの成分で、2023年に発売された比較的新しい薬です。

先発品名 一般名 使い方 ジェネリック
マンジャロ皮下注アテオスチルゼパチド週1回の皮下注射。少量から始め、4週間以上の間隔をあけて段階的に増量なし

メリット

  • HbA1cを下げる効果が大きい
  • 体重が減りやすい
  • 単独では低血糖を起こしにくい
  • 週1回の注射で済む

主な副作用

  • 吐き気、下痢、便秘、食欲低下、おなかの張り(始めたときや増量したときに多く、時間とともに軽くなることが多い)
  • まれに急性膵炎(持続する強い腹痛・背中の痛み)
  • 胆石・胆のう炎
  • SU薬やインスリンとの併用時の低血糖

強い腹痛が続く、吐き気や嘔吐で食事や水分がとれない、といったときは、次の注射をする前に医師に連絡してください。インスリンを自分でほとんど作れない方(1型糖尿病など)では、インスリンの代わりにはなりません。

GLP-1受容体作動薬(オゼンピック・リベルサス・トルリシティなど)

効き方

インクレチンのひとつであるGLP-1と同じように働く薬です。血糖値が高いときに膵臓からのインスリン分泌を促し、血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)を抑えます。胃の動きをゆっくりにして食後の血糖上昇をおだやかにし、食欲を落ち着かせる働きもあります。

体の中のGLP-1は数分で分解されてしまいますが、これらの薬は分解されにくく作られているため、長く効き続けます。週1回の注射、毎日の注射、毎日の飲み薬があります。

先発品名 一般名 使い方 ジェネリック
オゼンピック皮下注セマグルチド週1回の皮下注射なし
リベルサス錠セマグルチド1日1回の飲み薬。起床時の空腹時に、コップ半分程度(120mL以下)の水で飲み、その後30分以上は飲食やほかの薬を控えるなし
トルリシティ皮下注アテオスデュラグルチド週1回の皮下注射なし
ビクトーザ皮下注リラグルチド1日1回の皮下注射なし

メリット

  • HbA1cを下げる効果が大きい
  • 体重が減りやすい
  • 単独では低血糖を起こしにくい
  • 心臓や血管の病気がある方などで、心筋梗塞や脳卒中などを減らす効果が報告されている薬がある
  • 注射が苦手な方には飲み薬(リベルサス)という選択肢もある

主な副作用

  • 吐き気、下痢、便秘、食欲低下(始めたときや増量したときに多い)
  • まれに急性膵炎(持続する強い腹痛・背中の痛み)
  • 胆石・胆のう炎
  • SU薬やインスリンとの併用時の低血糖

同じインクレチンの仕組みに働くため、DPP-4阻害薬とは一緒に使いません。リベルサスは飲み方を守らないと成分がほとんど吸収されず、効果が出にくくなります。

SGLT2阻害薬(フォシーガ・ジャディアンスなど)

効き方

腎臓は血液をろ過して尿のもとをつくります。このとき糖もいったん尿のもとに出ますが、腎臓にはSGLT2という「糖を回収する運び役」があり、ほとんどの糖を体の中に戻しています。

SGLT2阻害薬はこの運び役の働きを抑え、余分な糖を尿と一緒に体の外へ出すことで血糖値を下げます。インスリンの量や効き具合に頼らない仕組みです。

先発品名 一般名 使い方 ジェネリック
フォシーガ錠ダパグリフロジン1日1回あり
ジャディアンス錠エンパグリフロジン1日1回なし
カナグル錠カナグリフロジン1日1回なし
スーグラ錠イプラグリフロジン1日1回なし
デベルザ錠トホグリフロジン1日1回なし
ルセフィ錠ルセオグリフロジン1日1回なし

メリット

  • 単独では低血糖を起こしにくい
  • 糖と一緒にカロリーが尿に出るため、体重が減りやすい
  • 血圧がやや下がる
  • フォシーガとジャディアンスは、慢性心不全や慢性腎臓病の治療薬としても承認されており、心臓や腎臓を守る効果が期待される

主な副作用

  • 尿の量や回数が増え、脱水になりやすい(高齢の方、暑い時期、下痢や嘔吐があるときは特に注意)
  • 尿路感染症・性器の感染症(排尿時の痛み、かゆみ、おりものの変化など)
  • ケトアシドーシス(吐き気、腹痛、強いだるさ、息苦しさ)。血糖値がそれほど高くなくても起こることがある
  • SU薬やインスリンとの併用時の低血糖

こまめな水分補給を心がけてください。発熱・下痢・嘔吐・食欲不振などで食事や水分が十分にとれない日(シックデイ)は、SGLT2阻害薬はいったん休薬し、医療機関に連絡してください。手術の前にも休薬が必要です。吐き気、腹痛、強いだるさ、息苦しさがあるときは、血糖値が高くなくても服用を中止し、すぐに受診してください(ケトアシドーシスの可能性があります)。

DPP-4阻害薬(ジャヌビア・エクア・トラゼンタなど)

効き方

食事のあとに出るインクレチン(GLP-1やGIP)は、体の中のDPP-4という酵素によってすぐに分解されてしまいます。DPP-4阻害薬はこの酵素の働きを抑え、自分の体が出したインクレチンを長持ちさせることで、血糖値が高いときのインスリン分泌を助けます。GLP-1受容体作動薬よりも作用はおだやかです。

先発品名 一般名 使い方 ジェネリック
ジャヌビア錠/グラクティブ錠シタグリプチン1日1回承認済み・未発売
エクア錠ビルダグリプチン1日2回あり
ネシーナ錠アログリプチン1日1回なし
トラゼンタ錠リナグリプチン1日1回(腎臓の働きによる量の調整が不要)承認済み・未発売
テネリア錠テネリグリプチン1日1回承認済み・未発売
オングリザ錠サキサグリプチン1日1回あり
スイニー錠アナグリプチン1日2回なし
ザファテック錠トレラグリプチン週1回なし
マリゼブ錠オマリグリプチン週1回なし

メリット

  • 単独では低血糖を起こしにくい
  • 体重が増えにくい
  • 胃腸の副作用が比較的少なく、続けやすい
  • 1日1回や週1回の薬もあり、飲み忘れが多い方にも使いやすい

主な副作用

  • 副作用は比較的少ないが、便秘などがみられることがある
  • SU薬と併用すると低血糖が起こりやすくなる(SU薬を減らして調整する)
  • まれに水ぶくれができる皮膚の病気(類天疱瘡)
  • まれに急性膵炎

エクア(ビルダグリプチン)は、まれに肝機能障害が起こることがあるため、定期的に肝機能を確認します。GLP-1受容体作動薬とは一緒に使いません。

イメグリミン(ツイミーグ)

効き方

細胞の中でエネルギーをつくる「ミトコンドリア」に働きかける薬です。膵臓では血糖値に応じたインスリン分泌を助け、肝臓や筋肉ではインスリンの効きをよくします。「インスリンを出しやすくする」と「インスリンの効きをよくする」の両方に働くのが特徴で、2021年に日本で承認された比較的新しい薬です。

先発品名 一般名 使い方 ジェネリック
ツイミーグ錠イメグリミン塩酸塩1日2回(朝・夕)なし

メリット

  • 単独では低血糖を起こしにくい
  • 体重に影響しにくい
  • ほかの系統の薬と仕組みが異なるため、組み合わせて使いやすい

主な副作用

  • 吐き気、下痢、便秘などの胃腸症状(メトホルミンと一緒に使うと出やすい)
  • インスリンやSU薬などとの併用時の低血糖

腎臓の働きが一定以上低下している方には、使用が勧められない場合があります。

ビグアナイド薬(メトホルミン)

効き方

主に肝臓で糖がつくられて血液中に出ていくのを抑え、あわせて筋肉などでインスリンの効きをよくすることで血糖値を下げます。膵臓に直接インスリンを出させる薬ではありません。長い使用実績がある薬で、2型糖尿病の最初の薬として選ばれることが多い薬です。

先発品名 一般名 使い方 ジェネリック
メトグルコ錠メトホルミン塩酸塩1日2〜3回(食直前または食後)。少量から始めて徐々に増やすあり

メリット

  • 長年使われてきた薬で、効果と安全性の情報が豊富
  • 単独では低血糖を起こしにくい
  • 体重が増えにくい
  • ジェネリックがあり、薬代をおさえやすい

主な副作用

  • 下痢、吐き気、食欲低下、おなかの不快感(飲み始めに多く、少量から始めて慣らしていく)
  • まれだが重い副作用として乳酸アシドーシス(吐き気、腹痛、強いだるさ、筋肉痛、息苦しさ)。脱水、過度の飲酒、腎臓の働きの低下などで起こりやすくなる
  • 長く飲み続けるとビタミンB12が不足することがある

腎臓の働きが大きく低下している方には使えません。発熱・下痢・嘔吐・食欲不振などで食事や水分が十分にとれない日(シックデイ)は、いったん休薬し、医療機関に連絡してください。ヨード造影剤を使うCT検査などの前や、手術の前にも一時的に中止します(検査後に再開してよい時期は医師の指示に従ってください)。お酒の飲みすぎは避けてください。

チアゾリジン薬(ピオグリタゾン)

効き方

主に脂肪細胞に働きかけ、インスリンの効きを悪くする物質を減らすことで、体全体のインスリンの効きをよくします(インスリン抵抗性の改善)。肥満や脂肪肝などがあり、インスリンが出ているのに効きが悪いタイプの方で効果が出やすい薬です。

先発品名 一般名 使い方 ジェネリック
アクトス錠ピオグリタゾン塩酸塩1日1回あり

メリット

  • インスリンの効きが悪いタイプの方で効果が出やすい
  • 単独では低血糖を起こしにくい
  • 1日1回で済み、ジェネリックがある

主な副作用

  • むくみ(体に水分がたまりやすい)
  • 体重増加
  • 心不全の悪化(心不全の方、心不全になったことがある方には使えない)
  • 骨折(特に女性で報告が多い)

急に体重が増えた、足のむくみが強い、息切れがする、といったときは早めに受診してください。膀胱がんの治療中の方には使いません。

スルホニル尿素薬・SU薬(アマリール・グリミクロンなど)

効き方

膵臓でインスリンをつくる細胞(β細胞)に直接働いて、インスリンを出させる薬です。インクレチン関連の薬とは違い、血糖値が高くないときにもインスリンを出させるため、血糖値を下げる力が強い反面、低血糖に注意が必要です。

先発品名 一般名 使い方 ジェネリック
アマリール錠グリメピリド1日1〜2回あり
グリミクロン錠グリクラジド1日1〜2回あり
オイグルコン錠/ダオニール錠グリベンクラミド1日1〜2回あり

メリット

  • 血糖値を下げる力が強い
  • 長年の使用実績がある
  • ジェネリックがあり、薬代をおさえやすい

主な副作用

  • 低血糖(高齢の方、腎臓の働きが低下している方、食事を抜いたとき、お酒を飲んだとき、激しい運動のあとに起こりやすく、長引くことがある)
  • 体重増加
  • 長く使ううちに効きが弱くなることがある

低血糖を防ぐため、少ない量から使うことが基本です。食事がとれないときに自己判断でいつもどおり飲むのは避け、対応を医師に確認しておきましょう。

速効型インスリン分泌促進薬・グリニド薬(スターシス・グルファスト・シュアポストなど)

効き方

SU薬と同じく膵臓に働いてインスリンを出させますが、飲んですぐ効き、短時間で効果が切れるのが特徴です。毎食の直前に飲むことで、食後に血糖値が急に上がる「食後高血糖」を抑えます。

先発品名 一般名 使い方 ジェネリック
スターシス錠/ファスティック錠ナテグリニド1日3回・毎食直前あり
グルファスト錠ミチグリニドカルシウム水和物1日3回・毎食直前あり
シュアポスト錠レパグリニド1日3回・毎食直前あり

メリット

  • 食後の血糖値の上昇をねらって抑えられる
  • 効いている時間が短いため、SU薬に比べて低血糖が長引きにくい

主な副作用

  • 低血糖(特に、薬を飲んだのに食事をとらなかったとき)
  • 体重増加

1日3回、食事の直前に飲む必要があるため、飲み忘れが多いと効果が出にくくなります。食事をとらないときは飲みません。SU薬とは一緒に使いません。

α-グルコシダーゼ阻害薬・α-GI(グルコバイ・ベイスン・セイブル)

効き方

ごはんやパンなどの炭水化物は、小腸で酵素によってブドウ糖に分解されてから吸収されます。α-GIはこの分解する酵素の働きをゆっくりにして、糖の吸収を遅らせることで、食後の急な血糖上昇を抑えます。食事の直前に飲む薬です。

先発品名 一般名 使い方 ジェネリック
グルコバイ錠アカルボース1日3回・毎食直前あり
ベイスン錠ボグリボース1日3回・毎食直前あり
セイブル錠ミグリトール1日3回・毎食直前あり

メリット

  • 単独では低血糖を起こしにくい
  • 体重が増えにくい
  • 食後の血糖値の上昇を抑えやすい

主な副作用

  • おなかの張り、おならが増える、下痢(吸収されなかった糖が大腸で発酵するため。続けるうちに軽くなることが多い)
  • おなかの手術をしたことがある方や腸閉塞になったことがある方は、腸閉塞のような症状に注意
  • まれに肝機能障害

α-GIを飲んでいる方の低血糖対策:ほかの薬との併用で低血糖が起きたときは、砂糖ではなくブドウ糖をとってください。α-GIは砂糖の分解も遅らせるため、砂糖では回復が大きく遅れます。ブドウ糖を常に持ち歩くようにしましょう。

インスリン製剤(ランタス・トレシーバ・ノボラピッドなど)

効き方

膵臓から出るインスリンが足りない分を、注射で直接補う薬です。主に次の2つのタイプを、必要に応じて組み合わせて使います。

  • 持効型(基礎インスリン):ゆっくり長く効き、食事と関係なく1日中必要な分のインスリンを補います。1日1回の注射が基本で、週1回の製剤もあります。
  • 超速効型(追加インスリン):食事の直前に注射し、食後の血糖上昇を抑えます。
先発品名 一般名 使い方 ジェネリック
ランタス注インスリン グラルギン持効型・1日1回あり(バイオシミラー)
トレシーバ注インスリン デグルデク持効型・1日1回なし
アウィクリ注インスリン イコデク持効型・週1回なし
ヒューマログ注インスリン リスプロ超速効型・毎食直前あり(バイオシミラー)
ノボラピッド注インスリン アスパルト超速効型・毎食直前あり(バイオシミラー)

週1回のインスリン(アウィクリ)は、毎日打つインスリンと取り違えないよう注意が必要です。効果が長く続くため、誤って多く打つと低血糖が長引くおそれがあります。打つ曜日や量を自己判断で変えないでください。

※このほか、持効型インスリンとGLP-1受容体作動薬を1本にまとめた注射薬(ゾルトファイ配合注〔インスリン デグルデク/リラグルチド〕、ソリクア配合注〔インスリン グラルギン/リキシセナチド〕)もあります。

メリット

  • 血糖値を下げる効果が確実で、量を細かく調整できる
  • 血糖値がとても高いときや、飲み薬で十分に下がらないときにも対応できる
  • 高い血糖値で疲れた膵臓を休ませ、自分のインスリンを出す力の回復が期待できる場合がある

主な副作用

  • 低血糖
  • 体重増加
  • 注射する場所の皮膚が硬くなる(同じ場所に打ち続けると起こり、効き方が不安定になる。毎回少しずつ場所をずらす)

インスリン注射が始まると「病気が末期になった」と感じる方がいますが、そうではありません。必要なタイミングで使うことで血糖値を安定させ、合併症を防ぐための大切な治療です。状態がよくなれば、量を減らしたり飲み薬に戻したりできることもあります。

2種類の成分を1錠にした配合錠

糖尿病の薬は、仕組みの違う薬を組み合わせて使うことがよくあります。その組み合わせを1錠にまとめたのが配合錠です。飲む錠剤の数を減らせる一方、それぞれの成分の量を細かく調整しにくい面もあります。

  • エクメット配合錠(ビルダグリプチン+メトホルミン)※ジェネリックあり(メホビル配合錠)
  • イニシンク配合錠(アログリプチン+メトホルミン)
  • メタクト配合錠(ピオグリタゾン+メトホルミン)
  • スージャヌ配合錠(シタグリプチン+イプラグリフロジン)
  • トラディアンス配合錠(エンパグリフロジン+リナグリプチン)
  • カナリア配合錠(テネリグリプチン+カナグリフロジン)

このほかにも配合錠があります。お薬手帳でカッコ内の成分名を確認すると、どの系統の薬が入っているかがわかります。

糖尿病の薬で起こる低血糖の症状と対処

糖尿病の薬で最も注意したい副作用が低血糖です。特にSU薬、グリニド薬、インスリンを使っている方や、これらとほかの薬を組み合わせている方は、症状と対処を知っておいてください。

  • よくある症状:冷や汗、手のふるえ、動悸、強い空腹感、不安感、顔色が悪くなる
  • 進んだときの症状:ぼんやりする、話し方がおかしい、いつもと違う行動、意識がもうろうとする、けいれん

症状が出たら、本人が自分で安全に飲み込める状態なら、すぐにブドウ糖10g程度、またはブドウ糖を含む飲み物150〜200mL程度をとって休みます。糖質ゼロや人工甘味料だけの飲み物では効果がありません。15分ほどたっても症状が続くときは、同じ量をもう一度とります。α-GIを飲んでいる方は、必ずブドウ糖をとってください。

SU薬や持効型インスリンを使っている方は、いったん回復しても低血糖がぶり返したり長引いたりすることがあります。改善しないとき、くり返すときは医療機関に連絡してください。

反応が鈍い、自分で飲み込めない、けいれんしているときは、のどに詰まらせる危険があるため口に食べ物や飲み物を入れず、すぐに救急車を呼んでください。重い低血糖を起こしたときは、回復したあとも必ず受診し、薬の見直しを相談してください。

糖尿病の薬を使うときの共通の注意点

  • 自己判断でやめない・量を変えない:血糖値が安定しているのは薬が効いているからということがよくあります。やめたいとき、副作用がつらいときは、まず医師に相談してください。
  • シックデイ(体調不良の日)の対応を決めておく:発熱、下痢、嘔吐、食欲不振などで食事や水分が十分にとれない日は、薬の種類によって中止したり減らしたりする必要があります。特にSGLT2阻害薬とメトホルミンはいったん休薬し、医療機関に連絡してください。インスリンは自己判断で中止せず、指示を受けてください。そのほかの薬も、体調を崩したときの対応をあらかじめ医師に確認しておきましょう。
  • 飲み忘れても2回分を一度に飲まない:飲み忘れたときの対応は薬によって異なります。わからないときは薬局や医療機関に確認してください。
  • ほかの医療機関でも糖尿病の薬を使っていることを伝える:手術、内視鏡検査、造影剤を使う検査の前などは、薬を一時的に止めることがあります。お薬手帳を必ず持参してください。
  • 薬だけで治すものではない:薬の効果を引き出すには、食事・運動・睡眠などの生活習慣が土台になります。詳しくは糖尿病の治療(食事・運動・薬)をご覧ください。

ゆうしん内科クリニックでの糖尿病の薬の選び方

糖尿病の薬に「誰にとっても一番よい薬」はありません。ゆうしん内科クリニックでは、当院で行う血液検査・尿検査の結果をもとに、次のような点をふまえて薬を選びます。

  • HbA1cや血糖値がどのくらい高いか、どの時間帯に高いか
  • 体重や体型(体重管理もあわせて考えた薬選び)
  • 腎臓・肝臓の働き、心臓や血管の病気の有無
  • 年齢や、低血糖を起こしたときの危険の大きさ
  • 飲み薬・注射の希望、1日に飲める回数などの生活スタイル
  • 薬代の負担

糖尿病は甘いものだけが原因でなる病気ではなく、遺伝や体質も大きく関わります。薬を使うことは「努力が足りなかった」という意味ではありません。気になる薬がある方、いまの薬の副作用が心配な方は、診察時にお気軽にご相談ください。

糖尿病の薬についてよくあるご質問

Q. マンジャロは糖尿病の治療で保険が使えますか?

マンジャロの保険適用は2型糖尿病です。2型糖尿病の治療として医師が必要と判断した場合は、保険診療で処方されます。2型糖尿病ではない方へのマンジャロの使用は保険適用外です。なお、同じ成分(チルゼパチド)の肥満症治療薬として「ゼップバウンド」が別に承認されていますが、使用できる条件が厳しく定められています。

Q. ジェネリック医薬品にできますか?

ジェネリックがある薬であれば、ジェネリックに変えることができます。マンジャロやオゼンピックなど比較的新しい薬には、まだジェネリックがありません。なお、ジェネリックがある薬で先発品を希望される場合は、2024年10月から通常の自己負担に加えて「特別の料金(選定療養)」がかかることがあります。

Q. 飲み薬と注射は、どちらがよいのですか?

どちらが上ということはなく、血糖値の高さ、体重、ほかの病気、生活スタイルなどによって向き不向きがあります。注射薬には週1回で済むものもあり、毎日飲み薬を飲むより負担が少ないと感じる方もいます。希望を医師に伝えたうえで、一緒に決めていきます。

Q. 糖尿病の薬は一度始めたら一生やめられませんか?

薬に依存性はありません。体重が減る、食事や運動の習慣が改善するなどで血糖値が十分に下がれば、医師の判断で薬を減らしたり中止したりできることもあります。ただし、自己判断でやめると血糖値が再び悪化することがあるため、必ず医師と相談してください。

Q. 副作用が出たらどうすればよいですか?

吐き気や下痢などの胃腸症状は、飲み始めや増量したときに多く、時間とともに軽くなることもあります。つらい場合は、量を変えたりやめたりする前に医師に相談してください(ただし、食事や水分が十分にとれないときのSGLT2阻害薬・メトホルミンは、いったん休薬して医療機関に連絡してください)。持続する強い腹痛、意識がもうろうとする低血糖、強いだるさや息苦しさ、水ぶくれなどがあるときは、早めに医療機関を受診してください。

参考:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」「糖尿病治療ガイド2024」「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム(第2版)」、各医薬品の添付文書。掲載内容は2026年11月時点の情報です。

気になることや、検査・治療のご希望がある方は
下記から受診予約いただけます

※お電話でのご予約やご相談は承っておりません。

平日:予約優先(混雑時は数時間お待ちいただく場合がございます)|土曜:完全予約制

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