糖尿病外来|札幌市中央区 ゆうしん内科クリニック

ゆうしん内科クリニック 糖尿病外来

健診で血糖値が高いと言われたら
早めの受診が将来の合併症を防ぎます

糖尿病は「甘いものを食べるからなる病気」ではありません。
遺伝・体質・カロリー収支が複雑に絡み合う代謝疾患です。
正確な診断と継続的な管理で、健康な日常生活を守りましょう。

平日:予約優先(当日受診も可)/ 土曜:完全予約制

糖尿病についてよくある誤解

「甘いものを食べすぎるから糖尿病になる」と思っている方は少なくありません。しかし実際には、遺伝的な体質が非常に大きく関与しており、スリムな方や甘いものをほとんど食べない方でも発症します。糖尿病は自己管理の問題だけではなく、膵臓のインスリン分泌能・インスリン抵抗性・遺伝因子が複雑に組み合わさった代謝疾患です。「自分のせいだ」と責めすぎず、まず正確な検査を受けることが大切です。

糖尿病とはどんな病気か

糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの「量が不足する」または「うまく働かない」ことで、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態が続く代謝疾患です。日本には約1,000万人の糖尿病患者がいるとされ、予備群を含めると約2,000万人に上ると推定されています(厚生労働省「国民健康・栄養調査」)。

最も多いのが2型糖尿病で、遺伝的な体質に加え、過食・運動不足・肥満・加齢などの環境因子が重なって発症します。初期には自覚症状がほとんどなく、健康診断で初めて発見されることが多い疾患です。一方、1型糖尿病は自己免疫によって膵臓のβ細胞が破壊される全く異なる病態であり、インスリン治療が不可欠です。「糖尿病=生活習慣の乱れ」という誤解は、体質や遺伝の関与が大きい方、特に1型糖尿病の患者さんへの誤解にもつながります。

2型糖尿病における遺伝の寄与度

研究によると、2型糖尿病の遺伝率は50〜70%台と報告されています。遺伝的要素が発症の半分以上を占める可能性がある疾患であり、「自分の不摂生のせい」とは言い切れません。ただし、特定の遺伝子が発症を「確定」するわけではなく、生活習慣次第で発症を遅らせたり予防できる点が1型糖尿病とは大きく異なります

糖尿病の主な症状

2型糖尿病は初期にはほぼ自覚症状がありません。健康診断で偶然発見されることが多いのはこのためです。以下の症状が出てきた場合、血糖値がすでにかなり高い状態が続いているサインです。

口渇・多飲

異常に喉が渇き、水を大量に飲む

頻尿・多尿

トイレの回数・尿量が増える

体重減少

食欲はあるのに痩せていく

易疲労感

常にだるく、疲れが取れない

視力の変化

見え方がぼやける・変わる

手足のしびれ

末梢神経障害の初期サイン

「症状がないから大丈夫」ではなく、「症状がない今こそ検査する」ことが合併症予防の鍵です。

糖尿病の診断基準

糖尿病の診断は、「血糖値」と「HbA1c」を組み合わせて行います。どちらか一方の数値だけで診断が確定するわけではなく、両者の関係と検査のタイミングが重要です。

「糖尿病型」の基準値

検査 正常型 境界型 糖尿病型
①空腹時血糖値(mg/dL) 110未満 110〜125 126以上
②OGTT 2時間値(mg/dL) 140未満 140〜199 200以上
③随時血糖値(mg/dL) 200以上
④HbA1c(%) 5.5未満 5.6〜6.4 6.5以上

※OGTTは75gブドウ糖液を飲んで2時間後に採血する負荷試験。健診では通常実施されませんが、境界型や診断困難例で行います。

確定診断の3パターン

パターン① 1回の検査で血糖値+HbA1cが両方「糖尿病型」→ 即確定

同じ日の検査で①〜③のいずれか(血糖)と④(HbA1c)がともに「糖尿病型」であれば、1回の検査だけで糖尿病と診断できます。これが最もシンプルな確定パターンです。

パターン② 1項目のみ「糖尿病型」→ 別の日に再検査で確認

①〜④のいずれかひとつだけが「糖尿病型」の場合は「糖尿病の疑い(糖尿病型)」として、別の日に再検査を行います。再検査でも「糖尿病型」が確認されれば糖尿病と診断します。ただし、HbA1cのみを2回測定しても確定診断にはなりません。再検査では必ず血糖値を含める必要があります。

パターン③ 血糖値が「糖尿病型」+典型症状または網膜症あり → 即確定

血糖値が「糖尿病型」で、かつ口渇・多飲・多尿・体重減少などの典型的な症状、または確実な糖尿病網膜症があれば、1回の検査で確定診断となります。

「HbA1cが6.5%以上=即糖尿病」ではない

健診でHbA1cが高くても、それだけで確定診断にはなりません。貧血や特定の疾患ではHbA1cと実際の血糖値がかけ離れることもあり、必ず血糖値との照合が必要です。受診して正確な診断を受けることが大切です。

※診断は必ずストレスのない状態で行います。発熱・手術直後・感染症などの急性ストレス下での高血糖は糖尿病の確定診断に使用できません。

糖尿病と生活習慣病の関係

糖尿病は単独で発症することも多いですが、高血圧・脂質異常症・肥満(内臓脂肪型)と合併することが非常に多い疾患です。これらが重なった状態を「メタボリックシンドローム」と呼び、互いに悪化させ合う悪循環に陥りやすくなります。

糖尿病 + 高血圧

両方を合併すると腎臓・心臓・脳への血管ダメージが単独の数倍になります。血圧の管理目標は130/80mmHg未満(ガイドライン準拠)。

糖尿病 + 脂質異常症

LDLコレステロールや中性脂肪の上昇が動脈硬化を加速させ、心筋梗塞・脳卒中リスクを著しく高めます。スタチン系薬剤が有効です。

糖尿病 + 肥満

内臓脂肪がインスリン抵抗性を悪化させ、血糖コントロールを困難にします。5%以上の体重減少がHbA1c・血圧・脂質すべてを改善します。

当院では糖尿病の管理と同時に、高血圧・脂質異常症も一括して診療します。複数の病気で複数のクリニックに通う必要がなく、薬の飲み合わせも含めた総合的な管理が可能です。

糖尿病の合併症

高血糖が続くと、全身の血管・神経が徐々に傷つきます。初期には自覚症状がほとんどなく、気づいた時には進行しているケースが多いのが糖尿病合併症の怖さです。

合併症 影響する部位 重症化すると
糖尿病性網膜症 目(網膜の毛細血管) 失明(成人失明原因 第2位)
糖尿病性腎症 腎臓(糸球体) 人工透析(透析導入原因 第1位)
糖尿病性神経障害 末梢神経・自律神経 足潰瘍・壊疽・下肢切断
大血管症 心臓・脳・下肢の太い血管 心筋梗塞・脳梗塞・末梢動脈疾患

これらの合併症は、血糖・血圧・脂質を早期から適切に管理することで、発症や進行を大幅に抑えることができます(UKPDS など大規模研究で実証)。詳しくは糖尿病の合併症と予防のページをご覧ください。

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よくあるご質問

Q. 健診でHbA1cが6.3%でした。すぐに受診が必要ですか?

HbA1c 6.3%は「境界型(糖尿病予備群)」の範囲です。すぐに薬が必要というわけではありませんが、放置すると数年で糖尿病に進行するリスクがあります。食事・運動などの生活習慣の改善で進行を抑えることが可能なため、早めに受診して現在の状態を正確に把握しておくことをお勧めします。平日はご予約優先でご案内しますが、当日のご来院も可能です。

Q. 痩せているのに糖尿病と言われました。なぜですか?

2型糖尿病は肥満の方だけでなく、痩せた体型の方にも発症します。日本人は欧米人に比べてインスリンを分泌する膵臓のβ細胞の機能が弱く、同じ体重・食事量でも糖尿病になりやすい体質的な特徴があります。また遺伝的な要因も非常に大きく、親や兄弟に糖尿病がある方は特にリスクが高まります。「自分の生活が悪いから」と決めつけず、体質の評価を含む正確な診断を受けることが重要です。

Q. 一度糖尿病と診断されたら、ずっと薬を飲み続けなければいけませんか?

すべての方がそうというわけではありません。早期に発見し、食事・運動療法で血糖が十分に改善した場合は、薬を減量・中止できることもあります。ただし糖尿病は体質的な要因が大きいため、薬を中止した後も定期的な検査を続けることが重要です。定期受診を通じて経過を見ながら、必要な治療の量を適切に調整します。

Q. 糖尿病の合併症はいつ頃から出てきますか?

合併症は血糖コントロールが悪い状態が続くと、数年〜十数年かけて発症します。恐ろしいのは、初期にはほぼ自覚症状がないことです。糖尿病性網膜症・腎症・神経障害(三大合併症)は気づかないうちに進行し、重症化すると失明・人工透析・下肢切断につながる場合があります。定期的な検査で早期発見・早期対処することが、合併症予防の最大の鍵です。

Q. 糖尿病は甘いものをやめれば治りますか?

「甘いものをやめれば治る」というほど単純ではありません。血糖値はカロリー総量・食事の内容・身体活動量・遺伝・体質など多くの因子によって決まります。甘いものの過剰摂取はカロリー過多につながりますが、糖質を制限するだけで血糖が正常化するかどうかは個人差があります。医師の指導のもとで食事・運動・必要に応じた薬物療法を組み合わせることが、正しい治療の姿です。

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