睡眠時無呼吸症候群の原因

無呼吸がどのように発生するか

無呼吸とは、呼吸に伴う空気の流れが鼻あるいは口のレベルで少なくとも10秒以上停止した状態をいいます。
無呼吸は無呼吸中の呼吸努力の有無から大きく3つのタイプに分類されます。

無呼吸中、呼吸努力(気道がつまって呼吸ができないのに呼吸をしようとすること)が認められる。
奇異運動(無呼吸中に息を吸おうとして胸がへこみ、お腹がふくらむこと)がみられる。

脳にある呼吸中枢から呼吸に関する筋肉を動かす指令が出なくなるタイプで、胸郭および腹壁の動きがなくなる。

同じ無呼吸発作中に中枢型から閉塞型に移行する。

これら3タイプはいずれも無呼吸に基づく血液中の酸素飽和度の低下を伴います。

3つのタイプのうち、最も多いのが閉塞型であり、咽頭レベルでの気道閉塞が原因です。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の無呼吸の原因は大きく分けると機能的因子と形態的因子に分けられます。

機能的異常

上気道を開くための筋肉の緊張と空気を吸い込むための気道内の陰圧とのバランスが重要です。
気道内の陰圧の強さは特に横隔膜の力によって決まります。横隔膜の力に比べて気道を開通させるための筋力が弱くなった時に気道は閉塞しやすくなってし まいます。
気道を開通させるための筋肉は脳の呼吸中枢や大脳皮質からの刺激に影響されます。飲酒時や睡眠薬を服用した時に、いびきが大きくなったり、無呼吸が頻発することがあるのは脳からの神経活動が抑えられ、気道を開通する筋力が弱まるためです。
また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群では口呼吸になりやすく、口腔内が乾燥し、粘膜の粘液の癒着性が増し、さらに無呼吸が起こりやすくなります。

形態的異常

気道が狭くなる形態的な因子として、下記に示すように1.軟部組織、2.頭蓋顔面骨および 3.体位が挙げられます。

  1. 軟部組織
    ・肥満による上気道周囲の組織への脂肪沈着
    ・扁桃腺の肥大
    ・巨舌
    ・上気道の炎症(アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、咽頭炎など)
  2. 頭蓋顔面骨
    ・上顎骨の後方偏位
    ・下顎骨の後方偏位
    ・下顎骨の未発達、小顎症
  3. 体位
    ・仰臥位
    ・頚部の屈曲

1.軟部組織

これらの中で、最も重要なのは肥満による気道まわりへの脂防の沈着です。脂肪が沈着することにより、気道が狭くなるだけでなく、気道の壁が柔らかくなり、圧力がかかった時につぶれやすくなってしまいます。CTやMRIなどによる研究では、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の方の気道は覚醒時ですら、健常者よりも狭いことが分かっています。一般的に同じ肥満の程度の場合、女性の方が男性より無呼吸の出現頻度は低いといわれています。

肥満以外では、扁桃腺の肥大、口蓋垂の肥大、巨舌なども気道を狭くし無呼吸の原因となります。アミロイドーシス、甲状腺機能低下症、先端巨大症などの持病があると巨舌を合併し、 無呼吸を発症するリスクは高くなります。

また、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、咽頭炎などによっても、気道の内腔が狭くなり無呼吸は起きやすくなります。

 

2.頭蓋顔面骨

頭蓋顔面骨が関連する原因としては、上顎骨・下顎骨の後方偏位(上あごや下あごの骨が後ろに入り込んでいる)、上顎前歯突出(前歯が前に出ている)、下顎骨の未発達、小顎症等(下あごが小さい)などが挙げられますが、これらの原因には遺伝的影響が関与していることが多いです。

最近は肥満でない人の睡眠時無呼吸が想像以上に多いことが注目されています。特に日本では睡眠時無呼吸症候群の約30%は肥満を伴わないといわれています。原因としては上記のような頭蓋顔面骨の形態異常が関係していると考えられています。

 

3.体位

姿勢や体位により気道が狭くなり、無呼吸のリスクが増えることもよく知られています。つまり、横向きより仰向けの方が、また、頭を後ろへ反らした状態よりは、前に折った状態の方が無呼吸の発生頻度は高くなります。

睡眠中に気道が完全につまっていなくても、息苦しくなり頑張って呼吸をしようとすると、覚醒反応が起こり、これが日中の眠気の原因となります。(専門的にはこの現象を上気道抵抗症候群と呼びます)

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