睡眠時無呼吸の疫学

実は多い睡眠時無呼吸症候群

閉塞型睡眠時無呼吸症候群(いわゆる「睡眠時無呼吸症候群」=OSASとも略します)の発現頻度は実は非常に高いのです。

 

アメリカの場合

30~60歳を対象としたアメリカの調査によると、睡眠1時間あたり10秒以上続く「無呼吸の回数+低呼吸の回数」、すなわち無呼吸・低呼吸指数(ApneaHypopnea Index:AHIと略します)が5以上の割合は男性の24%、女性の9%、さらにAHI≧25の割合は男性で9.1%、女性で4.0%でした。

また、睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状の1つである「日中の過度の眠気」(=Excessive daily sleepiness:EDSと略します)の発現頻度も高率で、男性で16%、女性で22%でした。

さらには、AHI≧5でかつ「日中の過度の眠気」を訴える割合は男性の4%、女性の2%という。つまり、アメリカでは(男性の人口を約1.56億人、女性の人口を約1.60億人として)男性約624万人、女性約320万人の合わせて1,000万人弱が睡眠時無呼吸症候群というこになります。

日本の場合

では、日本の場合はどうか。日本での睡眠時無呼吸症候群の罹患率はアメリカほど明らかではありませんが、一般住民を対象とした2002年に発表された調査では以下のような結果となりました。

 男性女性
習慣性いびき症24.6%5.1%

習慣性いびき症

日中の過度の眠気

11.2%2.0%

睡眠時無呼吸症候群の予備軍といわれている「習慣性いびき症」の有病率は男性24.6%、 女性5.1%で、睡眠時無呼吸症候群にしばしば伴う「日中の過度の眠気」(=EDS)などの症状を認める割合は男性11.2%、女性2.0%でした。

 男性女性
睡眠時無呼吸症候群3.3%0.5%

さらに、 AHI≧5と「日中の過度の眠気」(=EDS)ありを睡眠時無呼吸症候群とし、終夜睡眠ポリグラフ(PSG検査)を用いて睡眠時無呼吸症候群の有病率を求めると、男性では3.3%、女性では0.5%(全体で 1.7%、約200万人)でした。
男性の人口を約6,000万人、女性の人口を約6,300万人とすると男性は198万人、女性は31.5万人の合わせて約230万人の日本人が睡眠時無呼吸症候群ということになります。

男性と女性の比率について

約20年前には、睡眠時無呼吸症候群の発症率は男女比で10:1と考えられていましたが、アメリカの最近の報告によれば、男女差は2:1となっています。
しかし、実際の診療においては、睡眠時無呼吸症候群で受診される方の比率は男:女=8~10:1程度であるといわれています。
この原因としては、女性の方が医療機関になかなか受診しない傾向がある、いびきに対する嫌悪感が男性に比べ強い、など様々な理由が考えられますが明らかではありません。

睡眠時無呼吸症候群の好発年齢

睡眠時無呼吸症候群の好発年齢は男女で多少差があり、男性では40~50歳代が半数以上を占める一方、女性では閉経後に急増するといった特徴があります。

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