睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時無呼吸症候群の臨床症状

睡眠時無呼吸症候群の症状は、睡眠中の呼吸障害(または換気障害)と睡眠障害という2つの原因から成り、症状のほとんどは睡眠時無呼吸症候群の治療により改善します。

覚醒時の症状は睡眠時無呼吸症候群に特有なものはありません。一方、睡眠時の症状は、いびきや呼吸停止など睡眠時無呼吸症候群に特有なものですが、睡眠中のため自分自身で自覚することは少ないです。

このため、肥満や高血圧など睡眠時無呼吸症候群に頻繁にみられる合併症があれば、積極的に睡眠時無呼吸症候群を疑う必要があります。

可能であれば家族の方や、同室睡眠者から睡眠時の情報を得ることが睡眠時無呼吸症候群の診療上重要となります。

 

覚醒時の症状

日中の眠気・知的能力の低下

無呼吸によって睡眠は断片化(小間切れ)し、深い睡眠がなくなり、結果として重度の睡眠不足をもたらし日中の眠気、記憶力・集中力の低下、疲労感などの原因となり、朝起きたときの爽快感がなくなります。

また、仕事中の居眠りによる社会的信用の失墜、さらには交通事故や労災事故の原因ともなりうることから、個人の健康被害にとどまらず社会的な問題として考えられています。

起床時の頭痛・頭重感

睡眠中の無呼吸によって血液中の二酸化炭素が増えた状態になり(高二酸化炭素血症)、それによって脳血流量が増え頭蓋内圧が上昇することが原因とされ、重症の睡眠時無呼吸症候群の方に多くみられます。

性欲低下・ED

睡眠時無呼吸症候群とEDは高率に合併するという報告があります。

ただし、明らかな原因はまだ分かっておらず、①慢性の低酸素症による末梢神経障害、②深睡眠の欠如によるテストステロン(男性ホルモン)低下、③日中の疲労感が増えた結果、性的欲求が減退、などが原因と考えられています。

性格変化・抑うつ状態

睡眠時無呼吸症候群では精神症状や性格変化が現れることもあります。

特に抑うつ状態が合併する割合が高く、24%の睡眠時無呼吸症候群に合併したとの報告もあります。

日中の眠気、記憶力・集中力低下により社会的適応障害が生じ、それが原因となって抑うつ状態になってしまう場合があります。また、うつ病の患者さんに対して処方された抗不安薬などが、無呼吸を悪化させる場合もあります。

睡眠時の症状

いびき

睡眠中に交互に繰り返されるいびきと呼吸停止は睡眠時無呼吸症候群の最も主要な症状で、家族の方など同室睡眠者から指摘され医療機関を受診するきっかけとなることが多い。

ただし、睡眠時無呼吸症候群のなかでも特殊な中枢型ではいびきを伴わないこともあり、いびきがないからといって睡眠時無呼吸症候群がないとは言い切れません。

異常体動

睡眠時無呼吸症候群では睡眠中の無呼吸後、呼吸再開時の覚醒反応に伴い、手足を激しく動かす、顔や胸などを手でこするなどの行動を示すことがあります。また、睡眠時無呼吸症候群には高頻度に周期性四肢運動障害(PLMD。脚、腕、またはその両方がピクピク動いたり、素早く跳ねたりする)が合併するとの報告もあります。

不眠・中途覚醒

無呼吸によって生じる睡眠の断片化(小間切れ)や深い睡眠がなくなることから引き起こされる日中の眠気とは対照的に、夜間の不眠症状を訴える場合があります。その多くは入眠困難(寝付きが悪い)より中途覚醒(寝てる途中で目が醒める)を訴えることが多いとされます。

夜間頻尿

無呼吸が起きている状態、つまり、気道がつまっている状態で息を吸おうと努力することによって胸腔内圧に強い陰圧がかかり、静脈からの血液流入が増える結果となり、睡眠中にANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド=心臓から分泌されるホルモンで尿を増やす作用があります)が持続的に分泌されるからと考えられています。

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