睡眠時無呼吸の検査

睡眠時無呼吸症候群の定義

睡眠時無呼吸症候群には、①閉塞型、②中枢型、③混合型の3タイプがあります。現代人で最も多いのが閉塞型睡眠時無呼吸症候群です。

日本の睡眠時無呼吸症候群ガイドラインでは閉塞型睡眠時無呼吸症候群を以下のように定義しています。

日中の過度の眠気(EDS)もしくは閉塞型無呼吸に起因するさまざまな症候のいくつかを伴い、かつAHI≧5

ここで、AHIとは睡眠時無呼吸症候群の重症度を判定したり、診断するために最も大事な指標で、”睡眠1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数”です。

そして、重症度については以下のようになっています。

軽症5 ≦ AHI <15
中等症15 ≦ AHI < 30
重症30 ≦ AHI

以上の判定基準によって睡眠時無呼吸症候群の診断が行われるわけですが、大事なのはAHIの数値だけではなく、日中の眠気を代表とする、症状の部分です。症状の有無を注意深く確認しながら個人にあわせた治療方針が必要なのです。

重要な症状

睡眠時無呼吸患者のほとんどは周囲からいびきや睡眠中の無呼吸を指摘され、医療機関を受診します。それ以外では、日中の過度の眠気(EDS)、睡眠障害(眠りが浅い、途中で目がさめる、寝た気がしない)、頭痛、記憶・認知障害などを訴えて来院することも少なくありません。

以下のような症状のある方は受診、および検査をおすすめします。

  1. (強度の)いびき
  2. 日中の過度の眠気、疲労感
  3. 睡眠中に無呼吸が頻回に起きる
  4. 肥満・高血圧・虚血性心疾患・不整脈・糖尿病などの持病
  5. 集中力の欠如
  6. 気道の形態異常
  7. 夜間睡眠中の異常行動
  8. 睡眠障害

こういった症状がある方はもちろん、症状が明らかでない場合でも睡眠時無呼吸が疑われる場合には、積極的に簡易診断装置を用いて検査を行います。

検査

セルフチェック

原因不明のEDS(日中の過度の眠気)があれば睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

日中の眠気の有名な評価方法の1つに、「エプワース眠気尺度」があります。

エプワース眠気尺度

あなたの最近の生活の中で次のような、ローの生活の中で次のような状況になると、眠くてうとうとしたり、眠ってしまうことがありますか。下の数字でお答えください(○で囲む)。質問のような状況がなったことがなくとも、その状況になれはどうなるかを想像してお答えください。

0=眠ってしまうことはない。
1=時に眠ってしまう。
2=しばしば眠ってしまう。
3=だいたいいつも眠ってしまう。

状況 
座って読書中0 , 1 , 2 , 3
テレビを見ているとき0 , 1 , 2 , 3
人の大勢いる場所(会議、劇場など)で座っているとき0 , 1 , 2 , 3
他の人の運転する車に、休憩無しで1時間以上乗っているとき0 , 1 , 2 , 3
午後に、横になって休息をとっているとき0 , 1 , 2 , 3
座って人と話をしているとき0 , 1 , 2 , 3
飲酒をせずに昼食後、静かに座っているとき0 , 1 , 2 , 3
自分で車を運転中に、渋滞や信号で数分間止まっているとき0 , 1 , 2 , 3

上記のエプワース眠気尺度を用いた場合の基準は以下のようになります。

合計点数日中の過度の眠気(EDS)
5点未満(ー)
5点以上10点以下(土)
11点以上(+)

総得点が11点以上の場合には、明らかな眠気があると判定され睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。

注意点として、点数があくまで自己評価のため誤差があります。正確な診断のためには下記のような機器を用いた検査が必要です。

 

パルスオキシメーター

指に付けた装置で睡眠中の酸素飽和度を測るものです。

睡眠時無呼吸症候群の診断に必要なAHIを測定することはできません。代わりにODI(酸素飽和度低下指数)を測定することによってAHIを推測します。

現在では他に簡便でかつ詳しい検査が可能になりましたので、睡眠時無呼吸症候群の診断には推奨されておりません。

 

簡易PSG(ポリソムノグラフィー)検査

①鼻口気流、②胸部もしくは腹部の動き、③SpO2(酸素飽和度)の3点を睡眠中にモニターし、解析する簡便な検査で健康保険の適応です。

簡易PSG検査では、(精密)PSG検査とは違い脳波が記録されず、睡眠時間や睡眠の質などの判定ができないため、正確なAHIの算出は不可能ですが、わが国ではこの検査で得られたAHIが40以上でCPAP(シーパップ)治療の適応となります。

また、簡易PSG検査では軽症例を見落とす可能性が少なくなく、睡眠時無呼吸症候群の重症度判定や睡眠障害の把握には向きません。このため、この検査で陰性(AHI≦5)であっても、高度の日中の眠気などがあったり、重篤な心血管系の合併症があったり、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高い場合はより精密なPSG(ポリソムノグラフィー)検査を行います。

PSG検査(ポリソムノグラフィー検査)

簡易PSG検査でモニターした、①鼻口気流、②胸部もしくは腹部の動き、③SpO2(酸素飽和度)の3点のほかに、④脳波(+眼球運動)、⑤下あごの筋電図の5点をモニターします。

この検査で得られたAHIが20以上でCPAP(シーパップ)治療の適応となります。

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