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新型コロナウイルス感染症に罹患後100日以上、血栓リスクが高い

新型コロナウイルスによる血栓症のリスクは100日以上続く

新型コロナウィルスと血栓症

新型コロナウィルス(COVID-19)罹患(=病気にかかること)によって血栓(血管の中に血の塊ができること)や出血のリスクが上昇することはニュースなどでも以前より伝えられていましたが、そのようなハイリスク状態がいつまで続くのかは不明でした。今回イギリスの研究グループが新型コロナウイルス検査で陽性となった約106万人という膨大なデータを用いた結果を発表しました。

 

結果

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかった後は、少なくとも110日間、血栓のリスクが高い状態が続くことが分りました。そして、この血栓リスクを高める原因の保有者は、新型コロナウイルスのワクチン接種の重要性が特に高いと言える、と述べています。

 

研究の詳細

解析の結果、新型コロナウィルスにかかってから60日後までは出血の発生率が高く、深部静脈血栓症は70日後、肺塞栓症は110日後まで差が認められた。特に肺塞栓症に関しては、新型コロナウィルス罹患の1週目の発生率比が36.17、2週目には46.40と、極めて大きな差が認められました。

また、新型コロナウィルス罹患から1~30日の発生率比は、肺塞栓症が31.59、深部静脈血栓症が5.90、出血が2.48という結果でした。

新型コロナウィルス罹患の有無および罹患時の重症度により、対照群、外来治療で完結した群、入院を要した群、およびICU入室を要した群の4群に分けてリスクを比較すると、肺塞栓症と深部静脈血栓症に関しては、外来治療で完結した群であっても対照群よりハイリスクでした。

このほか、パンデミック第1波で新型コロナウィルスに罹患した患者は、第2波や第3波で罹患した患者に比較し、対照群との血栓・出血イベントのリスク差がより大きかった。この理由については、「パンデミックの長期化とともに、血栓・出血リスクの高い高齢者の治療技術が向上したこと、および、ワクチン接種率が上昇したことで説明可能」としています。

 

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