秋になると痛風が増える理由|夏の生活習慣が発作を引き起こすメカニズムを解説

GOUT IN AUTUMN

秋になると痛風が増える理由

夏の生活習慣が秋の発作を引き起こす。そのメカニズムを医師が解説します。

毎年9〜10月になると、当院の痛風外来が混み合います。「急に足の親指が腫れて歩けなくなった」という患者さんが増える時期です。なぜ夏が終わった秋に、これほど痛風発作が増えるのでしょうか。

実は、秋の発作の「種」は夏にまかれています。季節の変わり目に痛風が増える理由には、医学的にはっきりとしたメカニズムがあります。

① 夏の脱水が尿酸値を押し上げる

痛風は、血液中の尿酸値が高くなり、尿酸が関節に結晶として沈着することで起こります。夏は大量に汗をかくため、水分補給が不十分だと血液が濃縮され、尿酸値が一時的に上昇します。

さらに、尿量が減ることで尿酸の排泄も低下します。夏場に積み重なった高尿酸状態が、秋になって発作という形で表れるのです。

ポイント:水分補給は「喉が渇いてから」では遅い。1日1.5〜2リットルを目安に、こまめな水分摂取を。ビールは利尿作用で脱水を悪化させるため、水やお茶で補いましょう。

② 気温が下がると尿酸が結晶化しやすくなる

尿酸の溶けやすさ(溶解度)は温度に依存します。体温が低い部位——足先や足首など末端の関節——では、夏より気温が下がる秋に、尿酸がより結晶化しやすくなります。

2014年に発表された研究(Neogi et al., Arthritis & Rheumatology)では、気温の低下が痛風発作リスクを高めることが示されています。急激な気温変化の数日後に発作が集中する傾向があることも報告されています。

③ 夏の飲酒とプリン体摂取の影響が遅れて出る

バーベキュー、ビアガーデン、花火大会——夏は飲酒の機会が増えます。アルコールは尿酸の産生を増加させ、同時に尿酸の腎排泄を低下させる二重の悪影響があります。

特にビールはプリン体を多く含み、影響が大きいとされます。夏の間に蓄積された高尿酸状態が、秋の涼しさというトリガーを引いて発作に至るケースが多く見られます。

④「食欲の秋」も尿酸値を上げる

秋刀魚・鮭・いくら・きのこ類など、秋の味覚にはプリン体を多く含む食品が多い傾向があります。加えて「食欲の秋」として食事量が増えること自体も、尿酸値上昇の一因になります。

医師より 「夏は元気だったのに秋になって急に…」という方が毎年来院されます。痛風発作は突然起こりますが、その前から尿酸値は上がっています。当院では尿検査で尿酸の排泄タイプを調べ、体質に合わせた予防策を提案しています。「尿酸値が高め」と健診で言われたことがある方は、発作が起きる前にご相談ください。

秋の痛風を防ぐ3つのポイント

  • こまめな水分補給を続ける——夏が終わっても脱水対策は継続。1日1.5L以上の水・お茶を目標に
  • 飲酒量を意識的に減らす——秋の行楽シーズンも飲みすぎに注意。休肝日を週2日以上確保
  • 尿酸値を定期的に確認する——発作が起きてからでは遅い。健診や受診で尿酸値を把握しておく
発作が起きたら:患部を冷やして安静に。痛みが強い場合は消炎鎮痛薬(NSAIDs)を使用します。当院では発作時も積極的に対応しています。「触れただけで痛い」「足がパンパンに腫れた」という方はお電話ください。

痛風・尿酸値が気になる方へ

当院では全患者に尿検査(尿酸排泄率)とエコー検査を実施。体質に合わせた治療を行っています。

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よくある質問

Q. 秋以外にも痛風が増える季節はありますか?

春(4〜5月)も発作が増えやすい時期です。年度替わりの飲み会・宴会シーズンと重なること、春の気温変動が大きいことが原因と考えられています。秋と並んで「痛風の二大シーズン」と言えます。

Q. 尿酸値が正常でも痛風発作は起きますか?

はい、起きることがあります。発作が起きている最中は炎症反応で尿酸が関節内に移行するため、血中尿酸値が一時的に低下することがあります。「検査で正常だった」と安心せず、発作の特徴的な症状があれば受診をお勧めします。

Q. 痛風の薬は一生飲み続けなければなりませんか?

必ずしもそうではありません。尿酸値を長期間目標値(6mg/dL以下)に維持できれば、関節内の尿酸結晶が溶けて、徐々に薬を減量・中止できる場合があります。ただし自己判断での中止は再発のリスクがあるため、必ず医師と相談してください。