睡眠時無呼吸と肥満・減量

← 睡眠時無呼吸症候群 外来トップ

SAS & Obesity

睡眠時無呼吸症候群と肥満・減量の関係
体重10%減でAHI約30%改善|マンジャロで根本治療

CPAPはSASを「管理」する治療です。「治す」ことを目指すなら、肥満が原因の方には減量という根本的なアプローチが必要です。当院ではCPAPと並行して、医療的な体重管理でCPAP卒業を目指すサポートを行っています。

Obesity & SAS

肥満が睡眠時無呼吸を引き起こすメカニズム

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因として最も頻度が高いのは肥満です。体重が増えると、首周りや舌根部に脂肪が蓄積されます。この脂肪が睡眠中に気道を外側から圧迫するうえ、筋肉の緊張が緩む就寝中はさらに気道が塞がれやすくなります。

肥満とSASの関係は一方通行ではありません。SASになると夜間に何度も低酸素状態になり、睡眠が断片化されます。その結果、食欲を増進させるグレリンが増加し、食欲を抑えるレプチンの感受性が低下するため、SASがあるとさらに太りやすくなるという悪循環が起きることも示されています。

肥満とSASの悪循環

肥満

気道周囲の脂肪増加→気道が狭くなる

SAS発症・悪化

夜間低酸素・睡眠断片化

さらに太りやすく

レプチン低下・グレリン増加→食欲亢進

この悪循環を断ち切るには、SASの治療(CPAP)と体重管理の両方に同時に取り組むことが重要です。

日本人のSASと肥満の割合

欧米の研究では閉塞性SAS患者の約70%が肥満(BMI30以上)を伴います。一方、日本人を含むアジア人は顎が小さい・下顎が後退しているという骨格的な特徴を持ちやすく、肥満を伴わないSASの割合が欧米より高い傾向があります。研究によってはアジア人SASの約40%が非肥満とも報告されています。

つまり、「太っていないからSASは関係ない」も「太っているから絶対SAS」も、どちらも正確ではありません。ただし、肥満がある方にとって、減量はSASを改善できる数少ない根本的なアプローチであることは確かです。

Weight Loss Effect

減量でSASはどれだけ改善するか|体重10%減でAHI約30%改善

肥満を伴うSASに対する減量の効果は、複数の研究で示されています。

体重
10%

AHI 約30% 改善

体重10kgの人が1kg減るだけでもAHIに変化が出始めます。

大幅減量(10〜20%以上)での変化

  • AHIが診断基準(5回/時)以下になりSASが消失するケースも
  • 重症SASが中等症・軽症へダウングレードし、CPAP不要になることも
  • 高血圧・糖尿病・高脂血症も同時に改善
  • 睡眠の質と日中のエネルギーが回復

ただし重要な注意点があります。重症SASの方は日中の眠気や疲労感のために活動量が低下しやすく、それが減量を難しくする側面もあります。そのため当院では、まずCPAPで睡眠の質を改善しながら、並行して体重管理に取り組むというアプローチを基本としています。睡眠が改善されると代謝が上がり、食欲もコントロールしやすくなります。

骨格が原因の方へ:下顎が小さい・後退しているという骨格的なSASの場合、減量の効果は限定的です。この場合はCPAP継続が基本となり、マウスピース治療(歯科連携)や将来的な骨格矯正なども選択肢になります。原因が肥満か骨格かは、検査データと体型・骨格の評価を組み合わせて判断します。

Mounjaro

マンジャロ(チルゼパチド)によるSAS根本治療へのアプローチ

当院では、肥満が主な原因と考えられるSASの方に、GLP-1/GIP受容体作動薬であるチルゼパチド(マンジャロ)を活用した医療的体重管理をご提案しています。マンジャロは食欲を抑制し、脂肪を優先的に燃焼させる作用を持つ肥満症治療薬です。

「注射は苦手」「自費は不安」というご意見はよく聞きます。しかし実際に開始された患者さんは、体重の減少とともにCPAPの圧力設定を下げられるほどAHIが改善したケースがあります。SASと肥満の両方を同時に改善できる、現時点で最も有効な組み合わせのひとつです。

マンジャロがSASに相性が良い理由

1

内臓脂肪に効果的

SASの気道閉塞に最も関係するのは首周りや舌根部の脂肪です。マンジャロは内臓脂肪を優先的に減らす傾向があり、気道周囲の脂肪にも働きかけます。

2

体重10%以上の減量が現実的

臨床試験では体重の15〜20%以上の減少が報告されており、「体重10%減でAHI約30%改善」というSASの改善目標に十分届く効果です。食事制限だけでは難しかった方でも継続しやすいです。

3

生活習慣病も同時に改善

SASにしばしば合併する高血圧・糖尿病・高脂血症・脂肪肝も、減量によって改善が期待できます。当院が内科としてこれらを一括管理できるため、SASと生活習慣病を同時に治療できます。

マンジャロ治療の基本情報

薬剤名 チルゼパチド(マンジャロ®)
投与方法 週1回の皮下注射(自己注射可能なペン型)
保険適用 肥満症(BMI35以上、または BMI27以上で肥満関連疾患を有する場合など)は保険適用あり。条件を満たさない場合は自費診療。詳細は受診時に確認します。
主な副作用 吐き気・食欲低下(特に開始初期)、便秘・下痢など消化器症状。多くは数週間で軽減します。
処方・受け取り オンライン診療でも処方可能。糖尿病のある方は電子処方箋対応のため全国どこでも調剤薬局で受け取り可(マイナカード利用)。自費の方は注射をお送りします。

※マンジャロが適応かどうか、保険か自費かは診察時に個別に判断します。すべての方に適用されるわけではありません。詳しくは体重管理・肥満症治療のページもご参照ください。

Our Approach

当院のSAS+肥満の統合管理|CPAPを続けながら根本を変える

内科として高血圧・糖尿病・高脂血症・肥満などの生活習慣病を総合的に診ていることが、当院のSAS診療における最大の強みです。SASは単独で存在することは少なく、これらの生活習慣病と深く絡み合っています。

当院ではSAS患者さんに対して、以下の統合的なアプローチを提案しています。

1

まずCPAPで睡眠の質を回復させる

重症SASの方はまずCPAPで無呼吸をコントロールします。睡眠が改善されると代謝が回復し、食欲も安定しやすくなります。これが次のステップへの土台になります。

2

並行して医療的体重管理を開始する

肥満が原因の方には、生活習慣の改善と合わせてマンジャロなどの肥満症治療薬の使用をご提案します。食事制限や運動だけで結果が出なかった方も、薬物療法を組み合わせることで継続しやすくなります。

3

減量が進んだらAHIを再評価する

一定の減量が達成されたタイミングで再検査を行い、AHIが改善していれば圧力設定の見直しやCPAP離脱の判断を行います。CPAPを続けながら根本を変えていく、これが当院のゴール設計です。

合併する生活習慣病も内科として一括管理

高血圧・糖尿病・高脂血症・脂肪肝をSASと同じ場所で同じ医師が診ます。複数の病院をかけ持ちする必要がなく、薬の重複や情報の分断がありません。

Lifestyle

SAS改善のための生活習慣|薬に頼らずできること

マンジャロなどの薬物療法と合わせて、日常生活でできることを積み重ねることが、AHI改善への近道です。

🍽️ 食事

夜遅い食事・大量飲酒を避ける。特にアルコールは咽頭の筋肉を緩めて無呼吸を悪化させます。就寝3時間前からの飲食は控えめに。糖質・脂質の過剰摂取を見直すだけでも内臓脂肪が変わります。

🏃 運動

有酸素運動(ウォーキング・水泳など)を週3〜5回、1回30分以上継続することで内臓脂肪が減りやすくなります。筋力トレーニングとの組み合わせが基礎代謝を上げる観点からも有効です。

🚬 禁煙

喫煙は上気道粘膜に慢性炎症を起こし、気道を狭めます。SASの悪化因子であるため禁煙は必須です。当院では禁煙外来も行っており、SASと合わせてサポートできます。

🛌 睡眠姿勢

仰向け寝は舌が気道に落ち込みやすく、無呼吸が悪化します。横向きに寝ることで、特に軽症〜中等症では症状が軽減するケースがあります。抱き枕や体位固定枕を活用してみてください。

FAQ

よくある質問|SASと肥満・減量・マンジャロ

Q. 痩せればCPAPをやめられますか?

A. 肥満が主な原因の場合は、十分な減量によってAHIが基準値以下になり、CPAPが不要になる可能性があります。ただし自己判断でCPAPを止めることは危険です。減量が進んだ段階で再検査を行い、AHIを客観的に確認したうえで医師と一緒に判断します。

Q. マンジャロは誰でも使えますか?

A. 適応には条件があります。保険適用は糖尿病を有する場合に限られます。条件を満たさない場合は自費診療となります。また妊娠中・膵炎の既往がある方など禁忌がありますので、受診時に詳しく確認します。

Q. 注射は怖いのですが、自分でできますか?

A. マンジャロはペン型の自己注射器を使います。針は非常に細く(0.23mm程度)、腹部や太ももに週1回皮下注射するだけです。最初は医師が説明しますので、すべての方が自宅で継続できています。

Q. 太っていないのにSASと言われました。減量は意味がありますか?

A. 顎が小さい・下顎が後退しているという骨格的なSASの場合、減量の効果は限定的です。ただし、現在は標準体重でも、今後の体重増加はSASを悪化させます。体重維持の意識は持ち続けてください。骨格が主な原因の場合はCPAP継続・マウスピース治療(歯科連携)が基本的な対応となります。

Q. SASの治療とマンジャロの処方を同時に受けられますか?

A. はい、当院では同じ受診でSAS管理(CPAP処方・データ確認)と肥満症治療(マンジャロ処方)を同時に行えます。別々の病院に通う必要がありません。来院でもオンライン診療でも対応できます。

Contact / Reserve

SAS・肥満のご相談・予約|札幌来院・全国オンライン

SASとダイエットをまとめて相談したい方、マンジャロに興味がある方、
来院でもオンライン診療でもお気軽にどうぞ。

🏥 来院でのご受診

ゆうしん内科クリニック
〒064-0920 札幌市中央区南20条西16丁目2-1
電話:011-552-7000

平日:予約不要/土曜:完全予約制

予約サイトはこちら

💻 オンライン診療(全国対応)

SAS管理・マンジャロ処方ともにオンライン診療専用アプリのビデオ診療で対応します。電子処方箋対応のため全国どこでも薬を受け取れます。

【手順】専用アプリ登録 → クリニックに通知 → 問診票送信 → 回答 → 合言葉取得 → 予約 → ビデオ診療

オンライン診療の詳細・登録方法

※ CPAP開始時の同意書署名のみ来院が必要です。その後はオンライン診療で管理できます。
札幌市内の方もオンライン診療をご利用いただけます。