SAS Test
睡眠時無呼吸症候群の検査方法と結果の見方
自宅完結・入院なし|AHI・重症度・CPAP適用基準
当院の検査はすべてご自宅で行います。簡易検査も精密検査(PSG)も入院不要。「いつもの環境でいつもの睡眠を測る」ことが、正確な診断への最短ルートだと考えているからです。
Why Home
なぜ当院は入院検査ではなく、すべて自宅で検査するのか
多くの病院では、精密検査(PSG:ポリソムノグラフィー)を「一泊入院」で行います。しかし当院では、簡易検査も精密検査も、すべて患者さんのご自宅で実施していただきます。これは手間を省くためではなく、正確なデータを取るために最も理にかなった方法だからです。
考えてみてください。入院環境では、枕も布団も自宅とは別物です。慣れない病院のベッドで、センサーをいくつも貼り付けた状態で眠る。その夜のデータが、本当に「あなたの普段の睡眠」を反映しているでしょうか。
入院検査 vs 自宅検査:何が違うか
| 入院検査 | 自宅検査(当院) | |
|---|---|---|
| 寝具・環境 | 病院のベッド・枕 | いつもの布団・枕 |
| 精神的緊張 | あり(非日常環境) | なし(リラックス) |
| 日常との再現性 | 低い | 高い |
| 患者の負担 | 大(仕事休み・泊まり) | 小(当日夜に装着するだけ) |
私たちが知りたいのは「病院の夜の状態」ではなく、「いつもの夜の状態」です。普段どおりの環境で測定することで、実際の無呼吸の程度を正確に把握し、最適な治療方針を立てることができます。
Two Types
簡易検査と精密検査(PSG)の違い|当院での使い分け
睡眠時無呼吸症候群の検査には、大きく2種類があります。当院では状況に応じてこれらを使い分けています。
どちらの検査から始めるか
基本的にはまず簡易検査から始め、その結果によって精密検査の必要性を判断します。簡易検査でAHIが30以上(重症)と判定された場合は、精密検査を省略してそのままCPAPの保険適用となります。
AHIが15〜29(中等症)の場合はPSG精密検査を行い、診断を確定させたうえでCPAPの適用を判断します。当院では精密検査もご自宅で行えますので、入院の必要はありません。
What is AHI
AHI(無呼吸低呼吸指数)とは何か|数字で重症度が決まる理由
睡眠時無呼吸症候群の重症度を示す最も重要な指標が、AHI(Apnea-Hypopnea Index:無呼吸低呼吸指数)です。これは「1時間あたりの無呼吸・低呼吸の合計回数」を表します。
用語の定義
無呼吸:口と鼻の空気の流れが10秒以上止まる状態。
低呼吸:呼吸は止まっていないが、空気の流れが50%以上低下し、血中酸素濃度が3〜4%以上低下するか、もしくは覚醒反応を伴う状態。
AHIによる重症度分類と治療方針
| AHI(回/時) | 重症度 | 目安 | 基本的な治療方針 |
|---|---|---|---|
| 5未満 | 正常範囲 | SASなし | 経過観察・生活習慣改善 |
| 5〜14 | 軽症 | 7時間睡眠で35〜98回 | 減量・体位療法・生活改善 |
| 15〜29 | 中等症 | 7時間で105〜203回 | 精密検査(PSG)→ CPAP検討 |
| 30以上 | 重症 | 7時間で210回以上 | CPAP治療 |
保険適用の基準(重要)
簡易検査でAHI30以上の場合、または精密検査(PSG)でAHI20以上かつ日中の症状がある場合に、CPAPの保険適用となります。月額の自己負担は3割の方で約4,500円程度(診察費+機器貸出料)です。
なぜAHIだけで判断するのか
「日中の眠気がないから大丈夫」「自覚症状がないから軽いはず」という判断は危険です。日中の眠気の自覚とAHIの重症度は相関しないことが研究でも示されており、症状がなくても重症のSASであるケースは珍しくありません。
AHIが高ければ、主観的な症状に関係なく心血管リスクは上昇します。当院が症状ではなくAHIという数字を治療判断の基準にしているのは、そのためです。主観的な「調子の良し悪し」より、客観的なデータを信頼する――これが当院のSAS診療の根本的な考え方です。
Test Flow
自宅検査の具体的な流れ|初診から結果説明まで
初診(来院またはオンライン診療)
症状・既往歴・合併症を確認し、検査の必要性を判断します。検査を行う場合は、その場でキットの手配をして、ご自宅へのお届け予定日をお伝えします。
検査キットが自宅に届く
キットが届いたその日の夜に装着して就寝します。装着方法は同封の説明書に沿って行うだけです。特別な準備は不要です。
翌朝、着払いで返送
翌朝に機器を箱に戻し、同封の着払い伝票を貼って郵送するだけで完了です。返送後、約1ヶ月を目安に再診(来院またはオンライン)の予約を入れてください。
再診:結果説明・診断(来院またはオンライン)
AHIなどのデータをもとに診断と治療方針を説明します。中等症(AHI15〜39)の方は、このタイミングでPSG精密検査へ進む場合があります。精密検査も自宅でできます。
CPAP開始、または経過観察
AHIが基準を超えた場合、CPAP治療を開始します。CPAP開始時の同意書署名のみ来院が必要です(オンライン初診の方も、この1回のみ)。その後の定期管理はオンラインで対応可能です。
📅 初診〜CPAP開始までのおおよその目安
初診 → キット発送(数日) → 自宅検査(1泊) → 返送 → 約1ヶ月後に再診・診断 → AHI重症なら同月中にCPAP手配、翌月からCPAP開始。中等症の場合は精密検査を挟むため、もう1ヶ月程度追加されます。
Results
検査結果でわかること|AHI以外の注目ポイント
睡眠検査の結果はAHIだけではありません。以下のデータも治療方針の判断に活用します。
SpO2最低値・低下時間
血中酸素濃度(SpO2)が何%まで下がったか、90%未満の状態が何分間続いたかを確認します。重症SASではSpO2が70%台まで低下することもあります。この数値が心血管リスクに直結します。
種別
無呼吸の種類(閉塞性・中枢性・混合)
大多数は「閉塞性」(のどが塞がる)ですが、脳の呼吸中枢の問題による「中枢性」や両者が混在する「混合型」もあります。種類によって治療の選択肢が変わるため、精密検査で鑑別することが重要です。
依存
体位依存性の確認
仰向けのときだけ無呼吸が悪化する「体位依存性SAS」の場合、横向き睡眠を習慣化するだけで症状が改善するケースもあります。体位センサーのデータから判断します。
ステージ
睡眠ステージ・深い眠りの割合(精密検査のみ)
脳波を解析することで、深い睡眠(徐波睡眠)やREM睡眠がどのくらい取れているかを確認できます。睡眠の「量」ではなく「質」を客観的に評価できます。
これらのデータを総合的に見ることで、「AHIは高くないが、SpO2の低下が激しい」「閉塞性ではなく中枢性だった」といったケースにも適切に対応できます。単にAHIの数字だけを見て治療方針を決めるのではなく、全体のデータを読んで個人に最適な治療を組み立てるのが当院の方針です。
When to Test
こんな方はSAS検査を受けてください
以下に当てはまる方は、症状の有無に関わらず一度検査を受けることをお勧めします。SASは自覚しにくい病気です。家族やパートナーからの指摘がきっかけになるケースも多くあります。
🔴 特に検査を強く勧める方
- 家族に「いびきがひどい」と言われた
- 「寝ている間に息が止まっていた」と指摘された
- 降圧薬を飲んでいるが血圧がなかなか下がらない
- BMI25以上、または首周りが太い
- 起床時に頭が重い・頭痛がある
🟡 検査を検討した方が良い方
- 寝ても疲れが取れない・熟睡感がない
- 夜間に何度もトイレで目が覚める
- 日中に眠くなることがある(眠気がない方も要注意)
- 高血圧・糖尿病・不整脈の治療中
- 顎が小さい・下顎が後退していると言われたことがある
やせ型の方・女性の方へ:「太っていないからSASではない」は誤りです。日本人は骨格(顎が小さい・下顎が後退)が原因でSASになるケースが欧米より多く、肥満のない方でも重症SASが見つかることは珍しくありません。いびきや無呼吸を指摘されたことがある方は、体型を問わずご相談ください。
FAQ
よくある質問|睡眠時無呼吸の検査について
SAS外来 関連ページ
Contact / Reserve
SAS検査のご予約|札幌来院・全国オンライン対応
「いびきが気になる」「無呼吸を指摘された」という方、まずはご相談ください。
初診から検査手配まで、来院でもオンラインでも対応します。
💻 オンライン診療(全国対応)
北海道外の方・忙しい方も、オンライン診療専用アプリのビデオ診療で初診から検査申し込みまで対応します。
【手順】専用アプリ登録 → クリニックに通知 → 問診票送信 → 回答 → 合言葉取得 → 予約 → ビデオ診療
※ CPAP開始の際の同意書署名のみ来院が必要です。
札幌市内の方もオンライン診療をご利用いただけます。
