eGFRとは?腎機能の読み方・ステージと経過観察

eGFR・腎機能検査

eGFRとは?
腎機能の読み方と「変化の速度」の見方

健診で「eGFRが低い」と言われた方へ。数値の意味だけでなく、
腎臓の状態を正しく把握するための「見方」を解説します。

札幌市中央区|ゆうしん内科クリニック

WHAT IS eGFR

eGFRとは|腎臓がどれだけ血液をろ過できるかを示す指標

eGFR(estimated Glomerular Filtration Rate:推算糸球体濾過量)は、腎臓が1分間にどれだけの血液をろ過できるかを推算した値です。単位は「mL/分/1.73m²」で、血液検査のクレアチニン値・年齢・性別から計算します。

健康な成人のeGFRは90以上が目安ですが、加齢とともに自然に低下します。40歳を過ぎると年間約1 mL/分/1.73m²のペースで低下するのが一般的です。そのため、高齢の方がeGFR 60程度であっても、それ単独では必ずしも病的ではありません。重要なのは「年齢を考慮した上で、異常に速く低下していないか」です。

eGFRが60未満(G3以降)が3か月以上続く、または蛋白尿などの腎臓の異常が続く状態を慢性腎臓病(CKD)と呼びます。

CKDのステージ(eGFRと蛋白尿による分類)

ステージ eGFR 腎機能 目安となる症状
G190以上正常(異常あり)自覚症状なし
G260〜89軽度低下自覚症状なし
G3a45〜59軽〜中等度低下ほぼ自覚症状なし
G3b30〜44中〜高度低下貧血・疲労感が出始める
G415〜29高度低下むくみ・倦怠感・尿量変化
G515未満腎不全透析・腎移植を検討

※ 蛋白尿(アルブミン尿)の程度(A1〜A3)もあわせてリスク評価します。同じG3aでも蛋白尿が多いほどリスクが高くなります。

eGFR SLOPE

eGFRスロープ|数値より「変化の速度」が重要

eGFRは1回測った数値だけで判断してはいけません。最も重要なのは「どのくらいの速さで変化しているか」、すなわちeGFRスロープです。

加齢による自然低下

約−1

mL/分/1.73m²/年

要注意の低下速度

−3以上

mL/分/1.73m²/年

年間−3以上の速さでeGFRが低下している場合、何らかの治療介入が必要なサインです。逆に、eGFRが60程度であっても変化がほとんどなければ、しばらく経過観察で問題ない場合もあります。

当院では、受診ごとのeGFRを時系列でグラフ化し、患者さんと一緒に確認します。「今のペースで下がり続けると何年後にG4になるか」という見通しを共有することで、治療の必要性をリアルに伝えることができます。過去の健診結果をお持ちいただくと、より詳しいスロープの評価が可能です。

ポイント:健診の結果票に「eGFR〇〇」と書いてあったら、昨年・一昨年の数値と比べてみてください。年間1〜2の低下は加齢の範囲内ですが、3以上低下している年が続く場合は受診をお勧めします。

PROTEINURIA

蛋白尿(アルブミン尿)とeGFRを組み合わせたリスク評価

CKDのリスクはeGFRだけでなく、蛋白尿(アルブミン尿)の程度によっても大きく変わります。蛋白尿は腎臓の糸球体が傷んでいるサインで、尿検査で確認できます。

蛋白尿ステージ 尿アルブミン/Cr比 リスク
A1(正常〜軽度)30mg/gCr未満低〜中リスク
A2(中等度)30〜299 mg/gCr中〜高リスク
A3(高度)300mg/gCr以上高〜非常に高いリスク

同じeGFR 50でも、蛋白尿がA1(正常)の方とA3(大量)の方ではCKDの進行リスクが大きく異なります。eGFRと蛋白尿の両方を定期的に確認することが、腎臓の状態を正確に把握するために重要です。

WHAT TO DO

健診でeGFRが低かったら、次に何をすべきか

健診でeGFRが低いと指摘された場合、多くの方が「どうすればいいかわからない」「大丈夫と言われたが不安」という状態になります。次のステップを参考にしてください。

1

過去の健診結果と比較する

昨年・一昨年のeGFRと比べて、どのくらい低下しているかを確認します。数年間変化がなければ慌てる必要はありませんが、急激に下がっている場合は受診が必要です。

2

尿検査(蛋白尿)を確認する

健診で尿検査が行われている場合は、蛋白尿の欄も確認してください。「+」「2+」などとあれば要注意です。

3

かかりつけ内科で原因を調べる

糖尿病・高血圧・痛風などがあれば、それらとあわせてCKDも管理できる内科が適しています。健診結果をお持ちください。

FAQ

よくある質問|eGFR・腎機能について

Q. eGFR 58でした。CKDですか?

eGFR 60未満が3か月以上続く場合はCKD(G3a)となります。ただし1回の測定だけで判断するのは早く、過去の値との比較と蛋白尿の有無が重要です。精密検査を受けることをお勧めします。

Q. 年齢が高いとeGFRが低くなるのは仕方ないですか?

加齢によるeGFRの低下(年間約1)は自然な変化です。しかし、年齢に比べて著しく低い場合や急速に低下している場合は治療が必要です。「高齢だから仕方ない」と放置せず、変化のペースを確認することが大切です。

Q. eGFRが低くても自覚症状がないのはなぜですか?

腎臓には予備能力があり、機能がかなり低下しても残った腎臓が補おうとするため症状が出にくいです。むくみ・倦怠感・夜間頻尿などの症状が出る頃にはG4に近いことが多く、「症状がないから大丈夫」という判断は危険です。

Q. クレアチニンとeGFRは何が違いますか?

クレアチニンは筋肉の代謝産物で、腎臓の機能が下がると血中に蓄積します。eGFRはそのクレアチニン値・年齢・性別から腎臓のろ過能力を推計した値です。eGFRは年齢補正がされているため、高齢の方でも判断しやすい指標です。

Q. 何科を受診すればいいですか?

糖尿病・高血圧・痛風などの生活習慣病がある方は、それらをあわせて管理できる内科への受診をお勧めします。G4以上(eGFR 30未満)になった場合は腎臓内科専門病院への紹介が必要です。

ご予約・お問い合わせ|eGFR・腎機能検査の相談

健診でeGFRの異常を指摘された方、糖尿病・高血圧・痛風の管理中の方、お気軽にご相談ください。

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