睡眠時無呼吸の検査

「もしかしてSASかも?」と思ったとき、まず受けるのが睡眠の検査です。このページでは、検査の種類・流れ・費用・CPAP保険適用の基準をわかりやすく説明します。

SASの重症度分類(AHI)

SASの診断・重症度判定に最も重要な指標が AHI(無呼吸低呼吸指数) です。睡眠1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数を表します。

重症度AHIの基準
正常AHI < 5
軽症5 ≦ AHI < 15
中等症15 ≦ AHI < 30
重症30 ≦ AHI

ただし、AHIの数値だけで治療方針が決まるわけではありません。日中の眠気・頭痛・集中力低下など症状の程度や、高血圧・糖尿病などの合併症の有無も総合的に判断します。

受診が必要な症状

以下に当てはまる方は、検査をお勧めします。

  • 強いいびきをかく・無呼吸を指摘されたことがある
  • 日中に強い眠気がある・熟睡感がない
  • 起床時に頭痛・倦怠感がある
  • 夜中に何度も目が覚める・夜間頻尿がある
  • 集中力・記憶力が低下している
  • 高血圧・糖尿病・不整脈などの持病がある
  • 体型は普通〜やせ型だが、顎が小さい・首が短いと言われたことがある

症状が明らかでない場合でも、SASが疑われる場合は積極的に検査をお勧めします。眠気がない方でもSASを持っているケースは少なくありません。

日中の眠気セルフチェック(エプワース眠気尺度)

以下の状況でどのくらい眠くなるか、0〜3点で答えてください。

0=眠らない 1=まれに眠る 2=しばしば眠る 3=ほぼ必ず眠る

状況点数
座って読書・書き物をしているとき0・1・2・3
テレビを見ているとき0・1・2・3
会議・映画館など人が多い場所でじっとしているとき0・1・2・3
乗客として1時間以上車に乗っているとき0・1・2・3
午後に横になって休んでいるとき0・1・2・3
座って人と話しているとき0・1・2・3
昼食後(飲酒なし)静かに座っているとき0・1・2・3
車を運転中、信号や渋滞で数分停車しているとき0・1・2・3

合計11点以上:日中の眠気が強く、SASの可能性があります。受診をお勧めします。

検査の種類と流れ

① 簡易検査(スクリーニング)

まず行う一次検査です。自宅で一晩装着するだけで完了します。

  • 測定内容:鼻・口の気流、血中酸素飽和度(SpO2)、いびき音、体位など
  • 費用:保険適用で自己負担約3,000〜4,500円(3割負担の場合)
  • 入院不要・自宅で実施可能

② 精密検査(PSG:ポリソムノグラフィー)

簡易検査でSASが疑われた場合に行う、より正確な検査です。脳波・筋電図・眼球運動も同時に測定するため、睡眠の深さ・質まで詳しく評価できます。

  • 測定内容:脳波・眼球運動・筋電図・呼吸・血中酸素飽和度・心電図など
  • 費用:保険適用で自己負担約8,000〜15,000円(3割負担・検査内容による)

当院では、PSG検査を自宅で行う在宅PSGに対応しています。入院不要で、ご自宅・職場などご希望の場所に検査機器を郵送します。詳しくは在宅PSG検査についてのページをご覧ください。

在宅PSG検査の流れ(当院の場合)

来院・オンライン診療どちらでも申し込みが可能です。

  1. 診察・申し込み:来院またはオンライン診療で診察を受け、その場で検査を申し込みます。
  2. 機器の郵送:後日、検査機器一式がご自宅・職場など希望の住所に届きます。
  3. 検査実施:届いた晩に説明書に従って装着し、一晩寝るだけです。
  4. 返却:翌日、同封の着払い伝票をつけ宅急便で返送してください。
  5. 結果説明:返却後約1ヶ月で再度ご来院いただき、結果をご説明します。

⚠️ 2026年6月より:CPAP保険適用の基準が緩和されます

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定により、2026年6月からCPAP保険適用の基準が変更されます。

検査の種類改定前(〜2026年5月)改定後(2026年6月〜)
簡易検査40以上でCPAP保険適用30以上でCPAP保険適用
精密検査20以上でCPAP保険適用20以上(変更なし)

これまで簡易検査でAHIが30〜39の方は「グレーゾーン」として精密検査が必要でしたが、改定後は簡易検査だけでCPAP保険適用の対象になります。中等症のSAS患者さんがより早く治療を開始できるようになります。

検査結果と治療の流れ

簡易検査の結果次のステップ
AHI 30以上(2026年6月以降)CPAP療法開始(保険適用)
AHI 20〜29精密検査(在宅PSG)を実施→AHI20以上でCPAP保険適用
AHI 5〜19症状・合併症に応じてマウスピース治療や経過観察
AHI 5未満SASの可能性は低い。他の原因を検討

オンライン診療でも検査・治療が受けられます

当院ではオンライン診療でSASの初診・検査申し込み・CPAP継続管理に対応しています。雪道の通院が大変な冬場も、自宅や職場の個室から受診できます。

SASについて詳しく知りたい方へ