MOUNJARO SIDE EFFECTS
マンジャロ(チルゼパチド)の副作用を
内科医が詳しく解説
どんな副作用がどのくらいの割合で出るのか、大規模な研究データをもとにわかりやすくまとめました
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は非常に高い減量効果を持つ注目のダイエット薬ですが、「副作用が怖い」「お腹が気持ち悪くならないか心配」という声をよくいただきます。この記事では、2,539人を対象にした大規模な研究のデータに基づいて、副作用の種類・頻度・乗り越え方を内科医の立場からわかりやすく解説します。
マンジャロの副作用はほとんどが「お腹の症状」
マンジャロの副作用のほとんどはお腹に関する症状(吐き気・下痢・便秘など)です。2,539人が参加した約1年半の研究では、こうした症状の大半が軽い〜中くらいのレベルで、使い始めて2〜4週間がピーク。その後は体が慣れて自然におさまっていく方がほとんどです。
副作用がつらくて使用をやめた方の割合は全体の4〜7%程度と低く、多くの方が続けられています。
マンジャロの副作用と発生割合|実際の研究データ
| 副作用 | 5mg | 10mg | 15mg | 偽薬 |
|---|---|---|---|---|
| 吐き気 | 24.6% | 33.3% | 31.0% | 9.5% |
| 下痢 | 18.7% | 21.2% | 23.0% | 8.3% |
| 便秘 | 16.8% | 17.1% | 11.7% | 5.8% |
| 嘔吐 | 5.2% | 9.5% | 12.2% | 2.8% |
| 食欲が減る | 13.0% | 18.0% | 22.0% | 3.0% |
| お腹の不快感 | 5.0% | 8.0% | 10.0% | 3.0% |
※2,539人が参加した72週間(約1年半)の大規模研究のデータ
数字の読み方
「吐き気24.6%」と聞くと多く感じますが、偽薬(効き目のない薬)でも9.5%に吐き気が出ています。また、これは「約1年半のうちに1回でも経験した割合」であり、ずっと吐き気が続くわけではありません。ほとんどの方は使い始めて数週間でおさまっています。
マンジャロの副作用を楽にする方法
吐き気・嘔吐への対処法
吐き気はマンジャロで最も多い副作用ですが、以下の工夫で楽になります。
- 少量ずつ、何回かに分けて食べる:一度にたくさん食べると胃に負担がかかります
- 脂っこい食事・刺激の強い食事を控える:揚げ物や辛い料理は吐き気を悪化させやすい
- ゆっくり食べる:早食いは胃の負担を増やします
- こまめに水分を摂る:脱水は吐き気を悪化させます
- 吐き気止めの処方:症状が強い場合は医師に相談してください。当院では必要に応じて吐き気止めを処方しています
下痢がつらい場合
- 水分と塩分をしっかり補給する(経口補水液が効果的)
- 食物繊維の多い食品を一時的に控える
- 整腸剤(ビオフェルミンなど)の併用も有効です
便秘がつらい場合
- 1日1.5〜2Lの水分を意識的に摂る
- 野菜・海藻・きのこなど食物繊維を多く含む食品を取り入れる
- ウォーキングなど適度な運動を心がける
- 必要に応じて下剤を使用
マンジャロで注意すべき重大な副作用
以下の症状が出たらすぐに医療機関を受診してください
- 急性膵炎(0.1%未満・まれ):お腹の上の方から背中にかけて激しい痛みが続く場合。膵炎になったことがある方はマンジャロを使用できません
- 腎臓のトラブル:嘔吐・下痢で体の水分が減りすぎると、まれに腎臓に負担がかかることがあります。尿の量が極端に減った場合は受診してください
- 低血糖(血糖値が下がりすぎる):マンジャロ単独では起こりにくいですが、糖尿病の他の薬と併用している場合は注意が必要です。冷や汗・手の震え・動悸が出たらすぐにブドウ糖を摂取してください
- アレルギー反応:発疹・かゆみ・息苦しさ・顔や喉の腫れ。極めてまれですが、出たらすぐに受診を
副作用を最小限にするコツ|ゆっくり量を増やすのが大事
マンジャロの副作用を抑える最大のポイントは、焦らず段階的に量を増やすことです。
量の増やし方(標準スケジュール):
2.5mg(4週間)→ 5mg(4週間)→ 7.5mg → 10mg → 12.5mg → 15mg(最大)
各段階を最低4週間かけて、お腹を少しずつ慣らしていきます。副作用が強い場合は増量を遅らせたり、1つ前の量に戻すことも可能です。
4つの大規模研究のデータを統合した2025年の解析でも、お腹の症状のほとんどが量を増やしている時期に集中しており、一定の量に落ち着いた後は副作用が大幅に減ることが確認されています。
マンジャロは他のダイエット薬と比べて副作用が多い?
マンジャロ・ウゴービ・リベルサスの副作用を比べてみると、以下のような傾向があります。
| 副作用 | マンジャロ 15mg | ウゴービ 2.4mg | リベルサス 14mg |
|---|---|---|---|
| 吐き気 | 約31% | 約44% | 約20% |
| 下痢 | 約23% | 約30% | 約10% |
| 便秘 | 約12% | 約24% | 約9% |
| 副作用でやめた割合 | 約6% | 約7% | 約7% |
※それぞれ別の研究のデータのため、単純な比較には注意が必要です
意外かもしれませんが、マンジャロは最も痩せる効果が高い(平均約20%減)のに、お腹の症状はウゴービより少ない傾向があります。マンジャロが持つ2つのホルモンへの作用のうち、GIPの働きがお腹の不快感を和らげている可能性があると考えられています。
内科医としてお伝えしたいこと
当院では糖尿病の治療でもマンジャロを日常的に使用しており、副作用への対応には十分な経験があります。
副作用を恐れて治療を始められないのはもったいないことです。副作用のほとんどは一時的で、食事の工夫や量の調整で乗り越えられます。お腹の症状が出た場合の吐き気止めの処方や、量を増やすペースの調整など、一人ひとりの状態に合わせた処方を行っています。
気になることがあれば、いつでもご相談ください。


