WEGOVY vs MOUNJARO
ウゴービとマンジャロの違いを
内科医がデータで徹底比較
世界初の直接比較研究の結果をもとに、効果・副作用・選び方を解説します
「ウゴービとマンジャロ、どちらを選べばいいの?」——これは当院の肥満治療で最も多いご質問のひとつです。2024年12月、この疑問に答える世界初の直接比較研究の結果が発表されました。この記事では、その研究データを中心に、両方の薬の違いを内科医の視点でわかりやすく解説します。
ウゴービとマンジャロの基本情報
マンジャロ
一般名:チルゼパチド
- 2つのホルモン(GIP + GLP-1)に同時に働く薬
- 週1回の注射
- 用量:2.5mg〜15mg
- 日本では糖尿病の治療薬として承認
- 肥満症向けは「ゼップバウンド」として別に承認済み
ウゴービ
一般名:セマグルチド
- 1つのホルモン(GLP-1)に働く薬
- 週1回の注射
- 用量:0.25mg〜2.4mg
- 日本で肥満症治療薬として正式承認
- 同じ成分の糖尿病薬が「オゼンピック」
世界初のウゴービ対マンジャロ直接比較研究の結果
直接比較研究の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 肥満(BMI 30以上)、または太めで健康上の問題がある(BMI 27以上)成人751名。糖尿病のない方 |
| 方法 | マンジャロとウゴービをそれぞれ最大量まで増やして効果を比較 |
| 期間 | 72週間(約1年半) |
| 出典 | 2025年発表の世界的に権威のある医学誌に掲載された大規模研究 |
ウゴービ vs マンジャロ|体重減少効果の比較
約1年半後の結果:マンジャロが大きく上回る
- マンジャロ:平均 -20.2%の体重減少(平均 -22.8kg)
- ウゴービ:平均 -13.7%の体重減少(平均 -15.0kg)
- マンジャロはウゴービの約1.5倍の減量効果
体重以外の変化も比較
| 指標 | マンジャロ | ウゴービ |
|---|---|---|
| お腹まわりの減少 | -18.4cm | -13.0cm |
| 5%以上痩せた人の割合 | 94% | 84% |
| 10%以上痩せた人の割合 | 82% | 62% |
| 20%以上痩せた人の割合 | 53% | 23% |
マンジャロでは半数以上の方が20%以上の体重減少を達成しています。これは体重100kgの方であれば20kg以上の減量に相当し、減量手術に近い効果です。
ウゴービ vs マンジャロ|副作用の比較
この直接比較研究では、副作用についても詳しく調べられています。
| 項目 | マンジャロ | ウゴービ |
|---|---|---|
| 主な副作用 | どちらもお腹の症状(吐き気・下痢・便秘)が中心 | |
| 副作用で薬をやめた人の割合 | 6.1% | 8.0% |
| 副作用の重さ | どちらもほとんどが軽度〜中程度 | |
注目すべきは、マンジャロの方が痩せる効果が大きいのに、副作用で薬をやめた人の割合はむしろ低い(6.1% vs 8.0%)という点です。マンジャロが2つのホルモンに同時に働くことで、お腹への負担が和らいでいる可能性があります。
なぜマンジャロの方が効果が高い?|2つのホルモンへの二重作用
マンジャロとウゴービの最大の違いは、体の中で働きかけるホルモンの数です。
仕組みの違いをわかりやすく
- ウゴービ:GLP-1という1種類のホルモンに作用 → 食欲を抑える・血糖値を安定させる
- マンジャロ:GLP-1 + GIP という2種類のホルモンに同時に作用 → 食欲を抑えるだけでなく、脂肪の燃焼や代謝の改善にも働く
この「2つ同時に作用する」仕組みにより、マンジャロは1つだけに作用するウゴービを上回る減量効果を発揮しています。
ウゴービとマンジャロの選び方|内科医のアドバイス
マンジャロが向いている方
- とにかく大幅に痩せたい方(15〜20%以上の体重減少を目指す)
- 他のGLP-1薬で効果が足りなかった方
- 糖尿病や血糖値が高めで、血糖管理も同時に行いたい方
- GLP-1薬でお腹の症状がつらかった方(2つ目のホルモンが負担を和らげる可能性あり)
ウゴービが向いている方
- 日本で正式に肥満症治療薬として承認された薬を希望する方
- 10〜15%程度の体重減少で十分な方
- セマグルチド系の薬で以前に良い効果を得た経験がある方
- 心臓や血管のリスクを下げたい方(大規模研究で心臓・血管の病気が20%減少することが確認済み)
内科医としてお伝えしたいこと
直接比較研究の結果は明確で、減量効果ではマンジャロがウゴービを上回っています。ただし、どちらの薬も非常に優れた効果を持っており、ウゴービの平均13.7%の体重減少も大変素晴らしい数字です。
「どちらが正解」というよりも、患者さん一人ひとりの目標・体質・持病に合わせて最適な薬を選ぶのが内科医の仕事です。当院では両方の薬を処方しており、経過を見ながら薬の切り替えも柔軟に対応しています。まずはご相談ください。


