「足が痛いけど、これって痛風?」——そう思って受診される方は多いです。しかし、痛風は似た症状の病気と見分けが難しく、正確な診断なしに治療を始めても改善しないケースがあります。
ゆうしん内科クリニックでは、血液検査・尿検査に加えて超音波検査(エコー)を初診から全例実施し、より確実な診断を行っています。
痛風の診断方法
最も確実な診断方法は、発作中の関節に針を刺して尿酸結晶を直接確認することですが、患者さんへの負担が大きいためあまり行われません。実際の臨床では、以下の検査と診断基準を組み合わせて診断します。
① 血液検査
血液中の尿酸値を直接測定します。ただし、痛風発作中は尿酸値が正常または低下していることがあります。「尿酸値が低いから痛風ではない」とは言い切れないため、症状や他の検査結果と合わせて判断します。
また、痛風(高尿酸血症)の患者さんは高血圧・脂質異常症・脂肪肝・糖尿病などの生活習慣病を合併していることが多いため、肝機能・コレステロール・血糖値なども同時に調べます。
② 尿検査(尿酸クリアランス検査)
尿に排泄されている尿酸の量を測定します。血液検査と組み合わせることで、高尿酸血症が「排泄低下型」「産生過剰型」「混合型」のどのタイプかを判定できます。

このタイプ判定が、薬の選択に直結します。詳しくは後述の「3つのタイプ」をご覧ください。
③ 超音波検査(エコー検査)【当院では初診全例に実施】
ゆうしん内科クリニックでは、痛風が疑われる初診患者さん全員に超音波検査を実施しています。
超音波検査では以下のことがわかります:
- 関節内の尿酸結晶の蓄積(ダブルコンター所見)の確認
- 炎症の程度の把握
- 腎結石・尿管結石の有無(痛風の合併症)
- 痛風と間違えやすい他の疾患との鑑別
レントゲンでは見えない関節内の変化を、痛みや被ばくなしに確認できる非常に優れた検査です。
超音波検査を初診から全例実施しているクリニックは多くありません。より確実な診断のために、当院ではこれを標準検査としています。
米国リウマチ学会の診断基準
痛風の診断には、以下の国際的な基準が使われます。
- 2回以上の急性関節炎の既往がある
- 24時間以内に炎症がピークに達する
- 単関節炎である
- 関節の発赤がある
- 第一MTP関節(足の親指の付け根)の痛みまたは腫脹がある
- 痛風結節がある
- 血清尿酸値の上昇がある
- X線上の非対称性腫脹がある
- 発作の完全な寛解がある
簡易診断スコア
以下の7項目をスコア化することで、痛風かどうかをある程度予測できます。
| 評価項目 | スコア |
|---|---|
| 男性である | 2.0 |
| 以前に急性関節炎の発作を起こしたことがある | 2.0 |
| 1日以内の発症 | 0.5 |
| 関節の発赤がある | 1.0 |
| 中足趾関節(足の指の付け根)を含む病変 | 2.5 |
| 高血圧など1つ以上の心血管疾患がある | 1.5 |
| 血清尿酸値 ≧ 5.88mg/dL | 3.5 |
| 合計スコア | 判定 |
|---|---|
| 4.0以下 | 痛風とは言い切れません |
| 4.5〜7.5 | 痛風の可能性があります |
| 8.0以上 | 痛風の可能性が高いです |
ただし、似た症状の疾患もあるため最終判断は必ず医師に委ねてください。
高尿酸血症の3つのタイプ
尿酸クリアランス検査の結果により、高尿酸血症は以下の3タイプに分類されます。タイプによって使用する薬が異なるため、必ず検査で確認することが重要です。
| タイプ | 特徴 | 割合 | 適した薬 |
|---|---|---|---|
| 排泄低下型 | 腎臓から尿酸がうまく排泄されない | 約60% | ユリス(ドチヌラド)など |
| 産生過剰型 | 体内で尿酸が作られすぎる | 約10% | フェブリク(フェブキソスタット)など |
| 混合型 | 両方の要素が混在する | 約25% | 状態に応じて選択 |
日本人では排泄低下型が最多(約60%)です。にもかかわらず、尿検査でタイプを確認せずに産生過剰型向けの薬(フェブリク)が処方されるケースが少なくありません。これが「治療しているのに尿酸値が下がらない」原因の一つです。
当院では全例で尿検査を行い、タイプを確認した上で薬を選択します。
痛風と間違えやすい疾患
「痛風だと思っていたら別の病気だった」というケースは珍しくありません。以下の疾患が特に間違えられやすいです。
- 外反母趾
- 爪周囲炎
- 蜂窩織炎(皮膚の細菌感染)
- 変形性関節症
- 関節リウマチ
- 偽痛風(ピロリン酸カルシウム沈着症)
- 糖尿病・腰椎異常による神経症状
- 足底筋膜炎・疲労骨折・靱帯損傷
自己判断は難しいケースも多いため、気になる症状がある場合は早めにご相談ください。超音波検査を含めた総合的な診断で、原因を正確に特定します。
こんなときはご相談ください
- 足の親指・足首・膝が突然腫れて痛みだした
- 健診で「尿酸値が高い」と言われた
- 痛風と診断されたが、なかなか改善しない
- 痛風か他の病気かはっきり診断してほしい
