家庭血圧の正しい測り方・血圧計の選び方|上腕式を推奨する理由|ゆうしん内科クリニック

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家庭血圧測定がJSH2025でさらに重視される理由

高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)では、診察室で測定した血圧よりも家庭で測定した血圧の方が、心血管イベント(脳卒中・心筋梗塞など)の発生リスクをより正確に反映するとされています。つまり、病院で月に1回測る血圧よりも、自宅で毎日記録する血圧の方が、あなたの「本当の血圧」に近いのです。

家庭血圧の測定が重要なのには、いくつかの理由があります。まず「白衣高血圧」の発見です。白衣高血圧とは、病院やクリニックで測定すると緊張して血圧が上がるけれど、家庭ではいつも正常値という状態です。反対に「仮面高血圧」は、診察室では正常なのに家庭では高いという、より危険なパターンです。仮面高血圧は通常の診察だけでは見つけられないため、家庭血圧の測定が唯一の発見手段になります。

また、朝の起床直後に血圧が急上昇する「モーニングサージ」は、脳卒中の発症リスクと強い関連があることが報告されています。この朝の血圧変動は病院での診察時間には捉えられないため、家庭での朝の測定でしか把握できません。

CHOOSING A MONITOR

血圧計の選び方|上腕式を推奨し手首式を避けるべき理由

家庭で血圧を測定するにあたって、まず最初に選ぶべきなのが血圧計のタイプです。結論から言うと、必ず上腕式(カフ式)の電子血圧計を選んでください。日本高血圧学会のガイドラインでも、家庭血圧の測定には上腕カフ・オシロメトリック式が推奨されています。

手首式血圧計が推奨されない医学的な理由

手首式血圧計は安価で持ち運びやすく手軽ですが、臨床的には上腕式に比べて信頼性が劣ります。その主な理由は3つあります。

第一に、手首は心臓から遠く、血管も細いため、測定値が姿勢や手首の位置に大きく左右されます。手首が心臓より10cm低いだけで、血圧値が約8mmHg高く出るという研究報告があります。降圧目標が130/80mmHg未満とシビアになった今、8mmHgの誤差は治療判断を誤らせかねません。

第二に、動脈硬化が進んでいる方(高血圧・糖尿病・脂質異常症をお持ちの方)では、手首と上腕の血圧に大きな乖離が生じやすくなります。まさに血圧を測定する必要がある方々において、手首式は不正確になりやすいという矛盾が生じるのです。

第三に、JSH2025のガイドラインで紹介されている研究でも、手首式血圧計を使った介入研究では降圧効果がはっきり確認できなかったという結果が示されています。これは、測定値のブレによって適切な治療判断ができなかった可能性を示唆しています。

上腕式と手首式の比較

項目 上腕式(推奨) 手首式
ガイドライン推奨 ◎ 推奨 △ 非推奨
測定精度 高い 姿勢に左右される
動脈硬化の影響 影響少ない 乖離が大きくなる
携帯性 やや大きい コンパクト
価格帯 5,000〜15,000円 3,000〜10,000円

HOW TO MEASURE

家庭血圧の正しい測定方法|タイミング・姿勢・頻度

朝の血圧測定が最も重要|起床直後のタイミング

理想的な測定タイミングは「朝」と「夜」の1日2回です。特に朝の測定が重要で、起床後にトイレを済ませ、朝食や薬を飲む前に測定するのが基本です。起床直後は交感神経の活性化によって血圧が上がりやすく(モーニングサージ)、この朝の血圧が脳卒中や心筋梗塞のリスクと関連していることがわかっています。夜は就寝前に測定してください。入浴直後は血圧が一時的に下がるため、入浴直後の測定は避けましょう。

血圧測定時の正しい姿勢と注意点

背もたれのある椅子に座り、背筋を伸ばして足は組まず床につけます。カフ(腕帯)は素肌か薄い衣服の上から、上腕に心臓と同じ高さになるように巻きます。テーブルの上に腕を置くと安定します。測定中は話をしたり体を動かしたりせず、リラックスした状態で行ってください。測定前に1〜2分の安静を取ると、より正確な値が得られます。

測定頻度は週2〜3回の起床直後からでもOK

JSH2025では、朝・夜の毎日測定が理想とされていますが、忙しい方が無理に毎日測ろうとして、結局続かなくなるのが最もよくないパターンです。当院では、まずは週2〜3回の起床直後の測定から始めることをおすすめしています。大切なのは「完璧に測ること」ではなく「継続して記録を残すこと」です。その記録を受診時にお見せいただくことで、治療方針の決定や薬の調整に大きく役立ちます。

JSH2025の家庭血圧の降圧目標

125/75 mmHg未満

診察室血圧の目標(130/80mmHg未満)よりも5mmHg低い値が設定されています。これは、家庭血圧の方が白衣効果がなく、日常の実態を反映しているためです。

FAQ

家庭血圧・血圧計に関するよくある質問

Q. 手首式血圧計をすでに持っていますが、買い替えるべきですか?

できれば上腕式への買い替えをおすすめします。特に高血圧の治療中の方、糖尿病や脂質異常症をお持ちの方は、手首式では測定値のブレが大きく、治療の判断を誤るリスクがあります。一度、手首式と上腕式の両方で測定し、数値に大きな差がないか確認してみるのもよいでしょう。

Q. 1回目の測定値が高くて、2回目以降は下がりました。どの値を記録すべきですか?

1回の機会に2回測定し、その平均値を記録するのが理想です。1回目は緊張や直前の動作の影響で高く出ることがよくあります。2回測って平均を取ることで、より安定した値が得られます。

Q. 病院で測ると高いのに家では正常です。どちらが本当の血圧ですか?

これは「白衣高血圧」と呼ばれる状態です。家庭血圧が正常であれば、日常生活における血圧は正常と判断できます。ただし白衣高血圧は、将来的に持続性高血圧に移行するリスクがあることも指摘されており、定期的な家庭血圧の測定と経過観察は必要です。

Q. 家庭血圧の記録は紙の手帳とアプリのどちらがよいですか?

どちらでも構いません。大切なのは継続して記録し、受診時に医師に見せられることです。紙の血圧手帳は一覧性に優れ、アプリはグラフ化や長期的な推移の把握に便利です。当院ではどちらの形式でも対応しておりますので、ご自身に合った方法をお選びください。

Q. 血圧計の寿命はどのくらいですか?

一般的な家庭用電子血圧計の耐用年数は約5年、または約30,000回の使用が目安です。カフ(腕帯)やチューブは劣化すると測定精度に影響するため、メーカーの推奨に従って定期的に交換しましょう。古い血圧計を使い続けている方は、一度医療機関で測定した値と家庭の値を比較してみることをおすすめします。

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家庭血圧の記録をもとに治療方針をご相談いただけます。血圧の測り方や血圧計の選び方でお悩みの方もお気軽にどうぞ。

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