ZEPBOUND IN JAPAN
ゼップバウンドとは?
マンジャロと同じ成分の肥満症治療薬を医師が解説
2025年4月発売。マンジャロと同じ成分で肥満症の治療薬として正式に承認された注目の新薬
2025年4月11日、日本で新しい肥満症治療薬「ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)」が発売されました。マンジャロと同じ有効成分を持ちながら、「肥満症の治療薬」として正式に承認されたのが大きなポイントです。この記事では、ゼップバウンドの特徴・マンジャロとの違い・保険が使えるかどうかについて、内科医がわかりやすく解説します。
ゼップバウンドの基本情報|マンジャロと同じ成分の肥満症治療薬
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一般名 | チルゼパチド(マンジャロと同じ成分) |
| 商品名 | ゼップバウンド皮下注アテオス |
| 製造元 | 日本イーライリリー / 田辺三菱製薬 |
| 承認日 | 2024年12月27日 |
| 発売日 | 2025年4月11日 |
| 使い方 | 週1回、自分で注射(ペン型で簡単に打てます) |
| 用量 | 2.5mg / 5mg / 7.5mg / 10mg / 12.5mg / 15mg |
| 仕組み | GIPとGLP-1という2種類のホルモンに同時に働きかけて、食欲を抑え脂肪の燃焼を促す |
ゼップバウンドとマンジャロの違い|同じ成分で何が違う?
ゼップバウンドとマンジャロは成分・注射器・用量すべてが同じです。違いは「何の病気の薬として承認されているか」だけです。
マンジャロ
認められている使い方:2型糖尿病
- 糖尿病の治療薬として承認
- ダイエット目的での使用は保険が使えない(自費)
- 2023年4月から日本で使用可能
ゼップバウンド
認められている使い方:肥満症
- 肥満症の治療薬として正式に承認
- 条件を満たせば保険適用
- 2025年4月から日本で使用可能
つまり…
薬の中身(成分・効果・副作用)はまったく同じです。マンジャロが「糖尿病の薬」として使われていたチルゼパチドに、「肥満症の薬」としてのお墨付きが追加されたのがゼップバウンドです。
ゼップバウンドでどのくらい痩せる?|大規模研究のデータ
ゼップバウンド(チルゼパチド)の減量効果は、2,539人を対象にした約1年半の大規模研究で詳しく調べられています。
約1年半後の平均体重減少
- 15mg:平均 -20.9%(偽薬では -3.1%)
- 10mg:平均 -19.5%
- 5mg:平均 -15.0%
※2,539名を対象とした大規模研究のデータ
15mgでは91%の方が5%以上、57%の方が20%以上の体重減少を達成しました。体重80kgの方であれば約17kgの減量に相当し、減量手術に迫る効果です。体重だけでなく、お腹まわり・血圧・中性脂肪・血糖値も改善しています。
ゼップバウンドの副作用
副作用はマンジャロと同じで、お腹の症状が中心です。ほとんどが軽い〜中程度で、量を増やす時期に出やすく、体が慣れるにつれておさまります。
| 副作用 | 5mg | 10mg | 15mg | 偽薬 |
|---|---|---|---|---|
| 吐き気 | 24.6% | 33.3% | 31.0% | 9.5% |
| 下痢 | 18.7% | 21.2% | 23.0% | 8.3% |
| 便秘 | 16.8% | 17.1% | 11.7% | 5.8% |
| 嘔吐 | 5.2% | 9.5% | 12.2% | 2.8% |
※2,539名対象の大規模研究より
副作用で薬をやめた方は全体の4〜7%程度です。当院ではお腹の症状が出た場合に吐き気止めや整腸剤を処方して対応しています。
ゼップバウンドは保険が使える?|条件はかなり厳しい
ゼップバウンドは肥満症の薬として承認されましたが、保険が使える条件は非常に厳しいのが現状です。
保険で使うための主な条件(すべて満たす必要あり)
- BMI 35以上の高度肥満、またはBMI 27以上で肥満に関連する病気が2つ以上ある
- 高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがある
- 6ヶ月以上、食事療法と運動療法を続けても十分に痩せなかった
- 栄養指導を2ヶ月に1回以上受けている
- 処方する病院が肥満症の専門的な研修施設として認定されている
このように保険で使えるハードルは高く、現実的には多くの方が自費診療でチルゼパチド(マンジャロまたはゼップバウンド)を使っています。
自費診療ならマンジャロとゼップバウンドどちらを選ぶ?
ダイエット目的で保険の条件を満たさない場合、マンジャロもゼップバウンドも自費(全額自己負担)です。この場合、薬の中身はまったく同じなので、在庫状況や価格で選ぶことになります。
当院では両方を取り扱っており、患者さんの状況に応じて最適な方をご提案しています。
ゼップバウンドの使い方
マンジャロとまったく同じです。週1回、ご自身で皮下注射します。
量を増やすスケジュール
| 期間 | 用量 | 目的 |
|---|---|---|
| 1〜4週目 | 2.5mg | お腹を慣らす期間 |
| 5〜8週目 | 5mg | 効果が出始める量 |
| 9〜12週目 | 7.5mg | 少しずつ増量 |
| 13〜16週目 | 10mg | さらに増量 |
| 17〜20週目 | 12.5mg | さらに増量 |
| 21週目以降 | 15mg | 最大の量 |
注射する場所はお腹・太もも・二の腕で、毎回場所を変えます。冷蔵庫(2〜8℃)で保管しますが、30℃以下であれば室温でも最大21日間保管できます。
内科医としてお伝えしたいこと
ゼップバウンドの登場で、チルゼパチドが日本で「肥満症の薬」として正式に使える時代が来ました。これは大きな前進です。ただし、保険が使える条件が厳しいため、ダイエット目的の方は引き続き自費での利用が中心になります。
当院では糖尿病治療でチルゼパチドを日常的に使っており、薬の特徴や副作用への対応に十分な経験があります。マンジャロ・ゼップバウンドのどちらがご自身に合っているか、保険が使えるかどうかも含めて、診察でご相談いただけます。

